内容説明
1995年1月17日、大地が揺れた。著者は、中学校の避難所に向かい、夏までボランティアとして過ごした。それから20年、人びとはどう生きたか。人生と震災の交差を描く、ヒューマン・ドキュメント。
目次
第1部 避難所という場(発端;テレビ中継;学校、避難者、ボランティア;避難所の中と外―物を介した関係;ボランティアという関係;避難所が終わる)
第2部 地震を思い返す(先生の回想;母と娘の回想)
第3部 人生のなかの震災(仮設住宅まで;市営住宅にて;施設にて)
むすび―震災と人間関係
著者等紹介
原田隆司[ハラダタカシ]
1957年兵庫県に生まれる。現在、甲南女子大学教員。専門、社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こと
5
正直、あまりタイトルが好きではない。また、結論が出ていない点、主張が明瞭でなく、一貫していない点、インタビューに対する姿勢が、私の考えとは違い、好きではなかった。武庫川以東では被害がほぼなかったという記述にも引っかかる。私の聞いた震災は、そんなことはないのだけれど…。 あらゆる人の視点を学ぶ、という点では興味深かった。ボランティアとは、自分にできることとは、勤務中に震災に遭ったら。…考えることは沢山ある。防災教育について、今後今以上に考えていく。2019/05/28
ひつまぶし
1
『ボランティアという人間関係』の著者が震災から20年経って何をどのように書いたのか、一応確かめておこうと思って手に取った。研究書ではなく、一貫して著者の経験と著者が被災地のボランティアで知り合った人びとについてのドキュメントだった。「風化させてはならない」という思いは決して叶うことのない願いだし、その決意もいずれ弱まっていく。著者自身も冒頭に触れているように、かつての記録を通して、時を超えて伝わるものはあるようだし、記録を残すことは、未来の読者にその期待を預ける試みだ。論文は十分書き尽くした上での一冊か。2021/11/05