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内容説明
これは恋の物語であり、異文化交流の物語である。アフリカで、著者は彼の地の女性アイドル歌手と恋に落ちた。結婚式は、8日間にわたる壮麗なものだった。激しい異文化の渦に巻き込まれた著者が、自らを素材に語る体験的入門書。ラヴ・ロマンス風文化人類学入門。
目次
第1章 私と彼女と文化人類学
第2章 私は誰?―個人と民族
第3章 声の文化、音の文化
第4章 時代は変わる―国家の内と外
第5章 結婚の申し込み―女性の交換?
第6章 結婚式―ヴァージョンアップの儀式
第7章 あたらしい家族―親族関係の機微
第8章 文化人類学とともに
著者等紹介
鈴木裕之[スズキヒロユキ]
慶應義塾大学出身。国士舘大学教授。文化人類学専攻。アフリカ音楽を研究。著書に『ストリートの歌―現代アフリカの若者文化』(世界思想社、2000年、渋沢・クローデル賞(現代フランス・エッセー賞)受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
33
サリㇷ・ケイタをはじめとするアフリカン・ミュージックが好きな私なのだが、そことも繋がるダンサーを嫁にしたという文化人類学者が著者の本書。若手研究者らしい内容に好感なのだが、もうちょっとサブカル的な話題を期待した読み手としてはやや肩すかしで、まじめな文化人類論の部分は流し読み。文字のないアフリカにおける音楽の役割の重要性や、コートジヴォワールをはじめとする西アフリカ人造国家と民族分布の相違などが興味深い。2024/05/02
tom
14
文化人類学の入門書として、なかなかの出色本。少し前に、上橋菜穂子のアポジニアに関する文化人類学本を読んだのだけど、あの本よりも、よほどしっかりした入門書。この本を読んで、初めて、文化人類学の流れを理解できたし、レビ・ストロースの突出した偉大さを了解できた。大昔にこの種の本を読んでいたのだけど、あの時代に、この本があったら、ずいぶん楽に頭の中を整理できていたはずと、少々残念な気分が生じてしまった。とにかく良書。ダンサーの妻との関係性についての文化人類学的解説があれば、もっと楽しめたはずなのが、少々心残り。2015/08/01
もえたく
13
コートジボワールの有名ダンサーと結婚した大学講師が、自身の結婚という最も濃密な異文化交流のエピソードを通して、文化人類学の事例や学説を分かり易く教授してくれるノンフィクション。「結婚は、分離、過度、統合の三段階のプロセス」「家族は冗談関係と忌避関係」等、なかなか興味深かった。大好きな中島らも『ガタラの豚』がアフリカの呪術が理解できる小説として紹介されているのもグッド。再読したくなる。2021/09/08
ステビア
10
自信のアフリカ人女性との結婚をダシに文化人類学の手ほどきをしてくれる。誠実な良著だと思うが、個人的には民族誌(といっていいのかな。ルポルタージュというか)に徹してほしかったかも。2018/06/27
yuri
8
アフリカ人女性と結婚した著者が、文化人類学的アプローチから異文化理解に迫った一冊。結婚という身近な題材かつ文章も平易だが、中身はかなり本格的でレヴィ=ストロースのいう「婚姻とは女性の交換」という親族構造の概念なども、わかりやすく説明されている。何より、単純にアフリカとの結婚観のギャップが面白い。式が8日間に渡るのも驚きだが、花嫁は親族から結婚前の素行についてみんなの前で暴露され、忌避なく批判されるという習慣にびっくり。自分だったら辛いわーと思うけど、これが当たり前という価値観もあるんだよなー。実に面白い。2018/04/14
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