ポストモラトリアム時代の若者たち―社会的排除を超えて

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784790715719
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C1036

内容説明

失われたモラトリアムを求めて。ひきこもり、ニート、腐女子…現在を生きる若者たちに何が起こっているのか?いまや忘れられたモラトリアムという概念に新たな光をあて、若者たちの心理と彼らを取り巻く社会の両面から迫ることで、ポスト近代の青年期のリアルなあり方を探る。

目次

第1部 モラトリアムからポストモラトリアムへ(戦後「青年期」の履歴―モラトリアム人間の不良債権化;ポストモラトリアムの時代―リスク管理に忙殺される若者たち)
第2部 若者たちのメンタリティ(スティグマ化とトラウマ化―ひきこもる若者たち;孤立化からの回復―ミーティングで変わる若者たち;方法としての「腐女子」―オタク女子のメンタリティ)
第3部 若者たちと社会(「物語なき物語」を生きる―モラトリアムの時間的変容)
ポストモラトリアムのゆくえ

著者等紹介

村澤和多里[ムラサワワタリ]
1970年生まれ/北海道大学大学院教育学研究科満期退学、臨床心理士。現在、札幌学院大学人文学部准教授(臨床心理学)

山尾貴則[ヤマオタカノリ]
1971年生まれ/東北大学大学院文学研究科単位取得退学、博士(文学)。現在、作新学院大学人間文化学部准教授(社会学・社会思想)

村澤真保呂[ムラサワマホロ]
1968年生まれ/京都大学大学院人間・環境学研究科単位取得退学。現在、龍谷大学社会学部准教授(社会学・社会思想)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

21
今日の新自由主義社会は若者から希望を奪っている。それはモラトリアムが奪われている社会でもある。それを著者たちは「排除型社会」と位置づけている。この本はそうした社会の中で労働市場に当てはまるための人間になることではなく、もう一度若者が自分自身を見つめ新たな世界を産出し続ける人間的成長の必要性を問うている。ただ社会的排除されている現代の若者という位置づけは何からの排除なのかが鋭く問われる。そこには階級的視点が必要だと思う。そのうえでモラトリアムを位置づけなおす作業は大変有効であるように思った。2016/10/30

getalexnow

3
流れに身を任せていればよかった時代とは違って現代社会は大海である。そこでは他者との関わりの中で自分を構成していくことになる。でもそういう時間や空間が失われた(排除された)のが今の社会。社会が変わっているのだから、若者も変わるもの。だからこれまでの型にはめようとするのではなく、新たな形を認めて受け入れてよ。っていうのがゆとりだっていうのか?そうじゃないゆとり・余裕・空間・余白みたいのがもう少し社会にあっても良いと思うんだけど。2015/08/10

ステビア

2
なかなか面白い。しかしオチの「地図作成」にはあまり感心しなかった。2013/09/30

minori

2
「モラトリアムなきモラトリアム(青年期)」を本書ではポストモラトリアムと定義している。ゆっくりと人間性を深めるための時間よりも、将来の就職に焦点を当てた「有益な」助言や施策があふれている今日の状況を生きる若者について書かれた本。20代の頃の自分の心象とそっくりな記述がたくさんあって、当時のことがフラッシュバックしてきた。2013/03/10

ふがし

1
本書で述べられている排除型社会というものはまさに現代社会の閉塞感の要因であるといえるだろう。社会システムがいかに生きにくいものなのかはたいていの人が共感できる。でも社会を批判しとけばおk、っていう人間にはなりたくないし、自分の現実的な問題もあるわけだから、その先は自分で考えなければいけないでしょう2014/11/21

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