内容説明
脳イメージングで探検する、自己と他者をつなぐ心の迷路。自他の心の境界のミステリー。情動や身体感覚から見た自己意識とは?「心の理論」から社会脳のはたらきに迫る研究最前線への招待。
目次
1 アレキシサイミアと社会脳
2 身体的自己の生起メカニズム
3 自己を知る脳―自己認識を支える脳
4 自己の内的基準に基づく意思決定
5 自己を意識する脳―情動の神経メカニズム
6 心の理論の脳内表現
7 エージェントの意図を推定する心の理論―知覚脳からアニメーションを楽しむ社会脳へ
8 他罰・自罰の方向性を切り分ける外側前頭前野―攻撃の方向性の神経基盤
9 自他を融合させる社会脳―合唱をハイパースキャンする
著者等紹介
苧阪直行[オサカナオユキ]
1946年生まれ。1976年京都大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士(京都大学)。京都大学大学院文学研究科教授、文学研究科長・文学部長、日本学術会議会員などを経て、京都大学名誉教授、日本ワーキングメモリ学会会長、日本学術会議「脳と意識」分科会委員長、日本学士院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほろ
2
借りて読んだけど研究分野に関連してたので購入。アレキシサイミアの部分、自他の境界について興味がある。 シミュレーション仮説に基づく研究方法が知りたい...2017/12/01
ばにき
1
小話形式。正答のある意思決定は強化学習でよく取り上げるけど、正答のない意思決定についての話は読んだことなくておもしろかった。競合低減という仮説を立てている。脳活動が”亢進”していることの意味が若干よくわかってない。自閉症について例えば本書で「島における結合が弱い」という説が呈示されていて、断片的な説ばかり聞いてるから一回体系的に理解しなきゃと思っている。2020/07/25
hanan
1
人の社会性に関して、脳科学からアプローチした本。 研究者達の研究の過程とその成果について、論文を肉厚にして読み物にした感じ。 私は自閉症スペクトラム関係を期待して読んでみた。 自己意識情動、文化差と脳神経基盤の違い、正答のない意思決定など、めちゃめちゃおもしろかった。詳しくはmixiレビューに書きました。2015/09/01