内容説明
逆説にみちた科学的思考の現場にせまる。厳密な推論・事実などからなるとされる科学。しかし現実には?ゼノンのパラドックスの意想外の解釈から、「ニュートンのりんご」「ユリイカ」などの発見物語に隠されたドラマ、“はかる”こと・サイズのパラドックス、セレンディピティー物語などまで、「パラドックス」というレンズを通して科学の現場をいきいきと描出。
目次
第1章 パラドックスという迷宮
第2章 ミクロメガスのパラドックス―サイズの問題
第3章 アストライアの天秤―“はかる”ことのパラドックス
第4章 ブラックスワンとの遭遇―異形の存在のパラドックス
第5章 デマルカシオンの陥穽―ニセ科学のパラドックス
第6章 セレンディピティー論―発見のパラドックス
第7章 クリティカ・パラドクソールム―パラドックスに対する現実的対応
著者等紹介
井山弘幸[イヤマヒロユキ]
1955年静岡県生まれ。1978年東京大学理学部化学科卒業。1983年東京大学理学系大学院博士課程・科学史科学基礎論専攻単位取得退学。1984年新潟大学人文学部助手。現在、新潟大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akiro OUED
2
トロッコ問題の条件設定は非科学的だとして設問の正当性を疑う。でも、問題から逃げちゃだめだ。今の日本では、多数派=高齢者と少数派=若者のどっちを大切にするんだ、という社会的トロッコ問題の実証実験が進行中だ。社会的便益は、数の問題じゃないことを科学的に説明すべきだろう。駄本。2023/01/08
takao
1
うーん。2022/05/09
ノコタ
1
セレンディピティの章がお気に入り。本文中に出てくる図書も気になった。特に「ポンド氏の逆説」が。2021/06/07
Mark.jr
1
パラドックスつまり逆説と科学の関係性を綴った本です。一概にパラドックスと言っても、本書に出て来るのは、有名な「アキレスと亀」に代表される哲学的なものから、科学的な検証・推察の問題、さらには偽科学など様々です。そこが面白いのですが、なんだか不思議な本です。2019/04/22