怪異を魅せる

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怪異を魅せる

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787292407
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0395

出版社内容情報

円朝の怪談噺、劇場空間と怪異、超常能力表象、子どもと怪異、怪談実話、『刀剣乱舞』など、バラエティー豊かな怪異の物語を読み解き、怪異を魅せる/怪異に魅せられる心性を問う。創作活動にとっての怪異を語る小説家・峰守ひろかずへのインタビューも充実。

はじめに 一柳廣孝



第1章 怪異を書く:峰守ひろかずインタビュー 聞き手:飯倉義之/一柳廣孝



第1部 怪異を物語る――怪異を伝えるために試みられたこと



第2章 挿絵が語る怪談噺――『真景累ヶ淵』と『怪談乳房榎』の場合 横山泰子

 1 『真景累ヶ淵』の場合

 2 『怪談乳房榎』の場合



第3章 豆男物の浮世草子――浅草や業平伝説との関係など 佐伯孝弘

 1 豆男物の定義と範囲

 2 浅草や業平伝説との関係

 3 小説史のなかの位置づけ



第4章 劇場空間と怪異――泉鏡花「陽炎座」が描く観劇体験 鈴木 彩

 1 子供芝居の幕の裏には……

 2 拙い芝居を観ることの意味

 3 虚構が、虚構であることをやめるとき



第5章 超常能力と大正中期探偵小説 浜田雄介

 1 読唇術探偵の誕生

 2 シンパシーと探偵の自壊

 3 解ける謎と解けない怪異



第2部 怪異で物語る――怪異を通じて語りうること



第6章 子どもと怪異――松谷みよ子『死の国からのバトン』を考える 三浦正雄/馬見塚昭久

 1 ムーブメントの交差点

 2 怪異の仕組み

 

第7章 船幽霊の声/幽霊船の沈黙――〈海異〉の近代文学史 乾 英治郎

 1 近代の〈海異〉――明治期を中心に

 2 関東大震災と〈海異〉

 3 昭和期の〈海異〉



第8章 往生際の悪い死体――執着譚と蘇生譚の境界 近藤瑞木

 1 実録的「蘇り譚」

 2 「是よみがへるにはあらざる事」

 3 臨終行儀書の姿勢

 4 蘇生者の殺害――『伽婢子』と『雪窓夜話』

 5 西鶴の「ためしもなきよみがへり」



第9章 枕のなかの世界――『唐代伝奇』「枕中記」の日本受容 笹生美貴子

 1 古代日中の「枕」にまつわる作品――魂との関連に注目して

 2 枕の穴――壺中天・太湖石が織りなす世界観との関連性

 3 「枕中記」の日本受容



第3部 怪異は物語る――怪異に読者が期待すること



第10章 インディアン・ロープ・マジック幻想――幸田露伴から手塚治虫まで 橋本順光

 1 インディアン・ロープ・マジックの発見と幻滅

 2 物語でのロープ・マジックの再生と転用



第11章 「情報化」される〈怪異〉――『刀剣乱舞』からみる現代版「付喪神」の表象 上島真弓子



 1 『刀剣乱舞』――現代版付喪神の登場

 2 「三日月宗近」の擬人化

 3 祟りからロマンへ――恐怖からの脱却



第12章 怪談の文法を求めて――怪談実話/実話怪談の民話的構造の分析 飯倉義之

 1 怪談実話/実話怪談とは「何か」

 2 怪談の「実話らしさ」とは何か

 3 怪談実話の「文法」を読み解く

 4 怪談実話を「文法」で読み解く



おわりに――シリーズとしては「つなぎに」 飯倉義之

一柳 廣孝[イチヤナギ ヒロタカ]
和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近代文学、日本近代文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、編著に『オカルトの帝国』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』、共編著に『ライトノベル研究序説』『ライトノベル・スタディーズ』(いずれも青弓社)など。

飯倉 義之[イイクラ ヨシユキ]
千葉県生まれ。國學院大學文学部准教授。専攻は現代民俗論、都市民俗論。共著に『妖怪・憑依・擬人化の文化史』(笠間書院)、『異人論とは何か』(ミネルヴァ書房)、『ライトノベル・スタディーズ』(青弓社)、編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社)など。

内容説明

新聞や雑誌、小説、落語、童話、ライトノベル、ゲーム…怪異は時代・社会の変化とともに、どのように書き留められ、表現され、創作されてきたのか。円朝の怪談噺、劇場空間と怪異、超常能力表象、怪談実話、『刀剣乱舞』などから、怪異を魅せる/怪異に魅せられる心性を問う。

目次

怪異を書く:峰守ひろかずインタビュー
第1部 怪異を物語る―怪異を伝えるために試みられたこと(挿絵が語る怪談噺―『真景累ヶ淵』と『怪談乳房榎』の場合;豆男物の浮世草子―浅草や業平伝説との関係など;劇場空間と怪異―泉鏡花「陽炎座」が描く観劇体験;超常能力と大正中期探偵小説)
第2部 怪異で物語る―怪異を通じて語りうること(子どもと怪異―松谷みよ子『死の国からのバトン』を考える;船幽霊の声/幽霊船の沈黙―“海異”の近代文学史;往生際の悪い死体―執着譚と蘇生譚の境界;枕のなかの世界―『唐代伝奇』「枕中記」の日本受容)
第3部 怪異は物語る―怪異に読者が期待すること(インディアン・ロープ・マジック幻想―幸田露伴から手塚治虫まで;「情報化」される“怪異”―『刀剣乱舞』からみる現代版「付喪神」の表象;怪談の文法を求めて―怪談実話/実話怪談の民話的構造の分析)

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近現代文学・文化史

飯倉義之[イイクラヨシユキ]
千葉県生まれ。國學院大學文学部准教授。専攻は現代民俗論、都市民俗論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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へくとぱすかる

28
各論全体の要約はとうてい無理だが、例えば、泉鏡花の「陽炎座」は、虚構と現実の境界をあいまいにする、みごとな手法だと感じた。松居松葉の読唇術探偵も大正中期にしては先進的。読んでみたい作品。 ところで119ページに、明らかなミスを発見。1933年(昭和8年)に連載された作品が、(19)23年(大正12年)の全集に収録できるはずがない! 111ページの記述から、1919年(大正8年)が正しいと思われる。おそらく大正と昭和を取り違え、にもかかわらず、西暦の方を「訂正」してしまった校正ミスでは。2016/12/24

qoop

8
怪異を語る文章表現に着目し、何を骨子として怪異を創作するのか、怪異そのものをどう記述するのかなど、怪異の語りを論じた一冊。怪談実話を分類し、その実話らしさを担保する怪談の文法を見出そうとした編者の〈怪談の文法を求めて〉はある意味納得の一本。他には、物語の題材として見聞きすることは多くてもその意味を考えたことがなかった笹生美貴子氏〈枕のなかの世界〉や橋本順光氏〈インディアンロープ幻想〉の論考などが印象に残った。2022/07/13

mittsko

4
「怪異怪談研究会」(2012年8月~)の最初の成果シリーズ「怪異の時空」全三巻の第二巻(と言っても、第一巻からわずか3か月後の出版)。怪異をどう、怪異によって何を語るのか(フィクションとしての表現のレベル)、そして怪異を求める人の心はどのようなものか、がテーマ。例によって、文学研究を中心に、近世・近代・現代の多様な事象が取り上げられる(一部、唐代伝奇小説、19世紀末イギリスも) ※ 個人的に、上島先生の事実と創作とのクロスオーバー読解、飯倉先生の実話怪談の民話的構造の分析がおもしろかった2023/08/24

集積屋

3
峰守ひろかず氏のインタビューを目的にし読んだものの他のページはほぼ読めていないので「読んだ」としてしまうのも編者お二人に非常に失礼な気もするのですが該当部レビューということでご容赦を… 初作から基本的に妖怪というモチーフで創作をしてきた氏によるその理由とスタンスについて分かるインタビューであった。氏が見る側として好んでいることが有名な怪獣やSFモチーフとの差異(妖怪の扱いやい点と難しい点)がとてもわかり易く触れられている。アマビコを例にしての使いやすさなどは思い至らない部分でもあり非常に驚いた点でした。2017/01/31

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