ホラー・ジャパネスクの現在

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ホラー・ジャパネスクの現在

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  • サイズ A5判/ページ数 236p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784787291783
  • NDC分類 905
  • Cコード C0395

出版社内容情報

なぜ人は怖がりたがるのか――。小説から映画、マンガ、コミックスとあらゆる分野で定着したホラーというジャンルを総力検証して、現代社会における「闇」の変容を見定める「ナイトメア叢書」の第1巻。怪異を恐怖しながら快楽する批評空間への招待状。

「闇」への想像力をかきたてるために――「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝


第1章 新たなる怪異の発生――平山夢明インタビュー 平山夢明/一柳廣孝/吉田司雄


第2章 怪異を語る

マサユメ体質 芳川泰久
女が男に、男が女に 武田雅哉
不可能な夢 稲生平太郎
夢を妬む 遠藤 徹


第3章 怪異を読む

土俗系ホラーの問題領域★ルビ;プロブレマティーク★――岩井志麻子における「オカヤマ」の表象 木村 功
 1 「ぼっけえ、きょうてえ」と「あまぞわい」の世界
 2 「依って件★ルビ;くだん★の如し」の世界
 3 「乞食★ルビ;ほいと★柱」の世界
 4 土俗系ホラーの問題系

心霊からウイルスへ――鈴木光司『リング』『らせん』『ループ』を読む 奈良崎英穂
 1 底流としてのドーキンス
 2 流行としての「怖い話」
 3 アンチ・エイズ小説としてのウイルス系ホラー

オカルト・ホラー小説がひらくもの――田口ランディ『コンセント』 生方智子
 1 オカルトの機能
 2 ホラーの位相
 3 読み解かれる隠喩
 4 〈主体〉のゆくえ


第4章 怪異を撮る

地獄の佐分利信――黒沢清と「恐怖」の映画史 城殿智行
 1 レザーフェイスと佐分利信
 2 裏窓と桟橋
 3 チェーンソーとステテコ

『女優霊』論――あるいは、映画の自己言及作用に潜む「魔」について 中野 泰
 1 怖くない幽霊
 2 『人面疽』
 3 フレーム
 4 始源の映画


第5章 怪異を描く

起源のない富江と中心のないうずまき――伊藤潤二の描線・コマ・単一世界 高橋明彦
 1 不十分な原因と理由
 2 十分に圧倒的な画力(1)―― 描線
 3 十分に圧倒的な画力(2)――コマ割り
 4 起源のない富江
 5 中心のないうずまき
 6 伊藤潤二の非完結的単一世界

今市子『百鬼夜行抄』論――民俗学に支えられたストーリー 田中励儀
 1 魅力的なキャラクター
 2 民俗学的素材の活用・反転
 3 演劇化・CDドラマ化
 4 幸田露伴・泉鏡花との関わり
 5 ノベルスとの交流

[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第1回)
 オンナ霊のいないジャパニーズ・ホラーなんて! 久米依子
  1 親子物語となったジャパニーズ・ホラー
  2 女性霊が跋扈する時代
  3 霊のジェンダーは超えられるか?


ゆらぐフレームの内外(第1回)
 『八つ墓村』の現在形  吉田司雄


第6章 怪異を識る

澁澤龍彦 死後の生――ゴシック/セクシャル・マイノリティ/サブカルチャー 跡上史郎
 1 「あの澁澤龍彦」と「この澁澤龍彦」
 2 ゴシックハートと小さな三島由紀夫たち
 3 ゴシックハートを超えて
 4 サブカルチャーとしての澁澤龍彦


高田衛 見えない世界の案内者 小二田誠二
 1 上田秋成・曲亭馬琴
 2 幻想文学研究
 3 かさねと祐天
 4 『四谷怪談』をめぐって
 5 テキストの普及


第7章 怪異を編む

「幻想文学」の頃 長山靖生

「怪」と「幽」――「世界で唯一」VS「日本初」 清水 潤
 1 妖怪祭りの夏
 2 「妖怪マガジン」の変遷
 3 浸透する水木「妖怪」
 4 「怪談専門誌」の挑戦


ブックガイド 諸岡卓真/井上貴翔/川崎公平/成田大典/横濱雄二

目次

第1章 新たなる怪異の発生
第2章 怪異を語る
第3章 怪異を読む
第4章 怪異を撮る
第5章 怪異を描く
第6章 怪異を識る
第7章 怪異を編む

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、文化史

吉田司雄[ヨシダモリオ]
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

30
ホラーとは何か。この本で論じられた作品がそれだ、と言えばOKだろう。実作者の創作ウラ話(『アクアリウムの夜』の稲生平太郎が読みたかった)が楽しかった。作品論はやはり堅くて、独特の語彙や論の運び方が難しく感じられた。恐怖マンガ、あるいは映画にしても、実作を鑑賞しないと、本当の怖さはわからない。ここに取り上げられた多数の作品にいつ出会えるだろう?2015/12/17

mittsko

3
東が提雅夫が提唱した「ホラー・ジャパネスク」という概念を、何も知らなかったので 勉強のため読んだ。「ナイトメア叢書」は、雑誌『幻想文学』の終刊をうけ後継として企画され、8号までが出た。本書はその第一号。「怪異をめぐる表現」の現在ということで、文学と並び、映画、漫画、ラノベ、TVドラマ、批評家、雑誌、ムックなどが取りあげられる ※ 個人的に面白かったのは、編者二人による平山夢明インタビュー、雑誌『幻想文学』振り返り、雑誌『怪』『幽』批評です…(ΦωΦ)2023/08/26

Nekono

1
ナイトメア叢書の一冊。ホラーについての評論集。物語や映画、漫画等々に表現されるホラーについて民俗学やら映像論やら情報処理データベース(この部分はちょっと薄い)、漫画の読み方など様々な面から考察しようとしている。一つ一つが短いので少々突っ込み不足はあるけれど、バランスよくまとまっていると思う。個人的には映画に関する部分が特に面白かった。欲を言えば塚本さんも取り上げて欲しかったなぁ。2012/06/27

カツ

1
ホラー映画論のくだりはいただけない。この手の「構造主義的解読論」は、もううんざりだ。2010/02/02

三柴ゆよし

1
平山夢明へのインタビューが良い。2008/10/01

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