内容説明
1970年に開催され、6,000万人以上を動員した大阪万博。太陽の塔・せんい館・鉄鋼館といったパビリオンの内容や武満徹ら芸術家の活動、具体美術協会などの動向を取り上げて、これまで語られなかった大阪万博と前衛芸術との関係性を分析する。海外の万博の成果も取り込みながら、音楽・映像・照明・機械で「未来」を演出した大阪万博の現代的な意義を浮かび上がらせる。
目次
大阪万博と前衛芸術を語るために
第1部 「人類の進歩と調和」―大阪万博の「光」と「影」
第2部 大阪万博の「夢」―未来都市としてのパビリオン
第3部 前衛芸術のその後
曾根幸一氏インタビュー―丹下研究室の一九六〇年代とその前後
一柳慧氏インタビュー―アーティストたちとの実り豊かな交流と万博
著者等紹介
暮沢剛巳[クレサワタケミ]
1966年、青森県生まれ。東京工科大学デザイン学部准教授。専攻は20世紀美術、デザイン研究
江藤光紀[エトウミツノリ]
1969年、栃木県生まれ。筑波大学人文社会系准教授。専門は近現代美術史、音楽評論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むちれお
1
大変面白く貴重な本だった。大阪万博には行ったこともないし、知らないことだらけだったな。また大阪に万博を誘致するならば、関係者は是非読んで欲しいと思う本だね。2017/04/23
Tadasu Nunotani
0
大阪万博と言えば、欧米に追いつきもはや戦後ではないと実感していましたが、 欧州各国の意識はいまだ遙か先に行き、あたかもホームに入る新幹線を 尻目に先行する新幹線のようだったのかと車中から感じました。2014/10/06
きゃθ
0
万博研究会用。小松左京らの「万国博を考える会」による「大阪国際博の組織論」の問題意識『創造と管理のシンフォニー』『官僚…一般ではできない管理/一般…官僚ではできない創造 この二つがどう綜合されるか?』は、様々な問題の本質に近い気が。計画経済/自由経済とか。なかなかにマニアックなテーマを扱った本とも思えたけれど。