内容説明
モーツァルトに熱中する人々や若手演奏家を取り巻く状況など、刺激がないクラシック業界の現状を鋭く論じながら、自身の人生経験とともにクラシック音楽の魅力を存分に語る。クラシックへの挑発と欲望が響き合うエッセー。
目次
負け犬のためのモーツァルト
ストライキとモーツァルト
永久革命のための失敗―アーノンクールについて
青春のガーシュウィン
ホームレスの隣で見る夢
スカラを愛す
亡き川村次郎氏のためのトンボー
誰でも三万円でグールドを買える
映画は音楽に憧れる
若い演奏家のための早過ぎるレクイエム〔ほか〕
著者等紹介
許光俊[キョミツトシ]
1965年、東京都生まれ。慶應義塾大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
54
音楽雑誌に連載の2010年ごろのエッセイ集。クラシックのコンサートを聞きに渡欧するこの辛辣な批評家の本は追っていたがこのエッセイは知らなかった。音楽やグルメなど辛口な内容で癖があるが唸るところが多い。個人的には著者の高校時代の漢文の先生であった、元タイガースの瞳みのるの思い出についてが印象深かった。また、あとがきにあるが、生演奏で耳の肥えた著者が、編集者に聞かせられたオーディオに感服し揃えたとあるがどういう機種なのか知りたく思った。この評論家のファンであればぜひ。2017/08/17
Isamash
23
許光俊・慶應大教授の2012年出版著作。季刊ステレオサウンド」連載に加筆修正したもの。欧州でオペラを散々聴いてきた方らしく、表面的で内面性に欠けるということでカラヤンは嫌いとか。大学生時代先輩達に触発されクラシックを背伸びして一生懸命聴いた時代も有るのだが、そもそも一流指揮者と二流指揮者による演奏の違いもよく分からない。ベーム指揮とカラヤン指揮の違いはまあ分かるのだが。結局部分部分の美しさしか理解できず、ロック音楽にまい戻った。元タイガーズ瞳みのるに著者が学生時代に漢文等を習ったエピソードは興味深かった。2023/03/08
ニールキャサディ
2
著者のアーノンクール好きに影響を受け、ウィーンフィルのCDを聴いてみようと思う。ラトルの勤勉さの評価、ゲルギエフやヤンソンスへの辛辣なコメントは、かなり面白く読んだ。また、著者が高く評価する大野和士のコンサートが月末にあるので、楽しみである。2014/06/15
やま
1
クラシックにまつわるエッセイ集。辛辣な記述は好きになれないが、シュターツカペレ・ドレスデンを高く評価している所は嬉しかった。2014/11/03
HNG
0
どんなオーディオを手に入れたのだろうか。2012/07/11