出版社内容情報
つまらないCDを名盤扱いする骨なし評論に物申す! 日本の音楽評論に裏切られてきた著者たちが同曲異演奏を徹底的に吟味し、クラシックCDの再生の可能性をさぐる。気分ではなく理性で聴き、陶酔ではなく覚醒を得るための過激な評論集。
序 この本はいったい何なのでしょうか? 許光俊
1 青嵐篇 こんな解釈のどこがいい? 鈴木淳史
(1)脱ウィーン的ウィンナ・ワルツとの正しい付き合い方
シュトラウス一家『ワルツ/ポルカ集』
ボスコフスキー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DECCA)
(2)地球温暖化から『田園』を守る
ベートーヴェン『交響曲第六番へ長調「田園」』
ワルター指揮 コロンビア交響楽団(SONY)
(3)カール・ベーム――真理のための真摯!?
モーツァルト『レクイエム ニ短調』
ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DG)ほか
(4)すべてのマーラーがバーンスタインを必要としている、わけではない
マーラー『交響曲第五番嬰ハ短調』
バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DG)
(5)ネジ曲がった自我からの脱出
ショスタコーヴィッチ『交響曲第五番ニ短調』
バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団(1979年、SONY)
(6)ハルサイにおける爆死の可能性に1955年・81年、SONY)
(12)朝比奈とは、へたなブルックナーという意味だ
ブルックナー『交響曲第五番変ロ長調』『第七番ホ長調』
朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー管弦楽団ほか(ビクター、キャニオンほか)
2 春雷篇 こんな演奏家のどこがいい? 吉澤ヴィルヘルム
(1)「偽善の微笑みを忘れずに」
モーツァルト『交響曲第四一番』
ワルター指揮 コロンビア交響楽団(SONY)
(2)フルトヴェングラーの「名盤」を破壊せよ
ベートーヴェン『交響曲第三番』『第五番』『第六番』
(3)鍵盤上の瀕死
ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ第三二番嬰ハ短調』
バックハウス(DECCA)
(4)美しき大理石屋の息子
シューベルト『ピアノ・ソナタ第二一番』
ポリーニ(DG)
(5)「気の抜けたサイダー」
『ショパン作品集』
ルービンシュタイン(RCA)
(6)あるベルリン・フィル楽団員への警告
リスト『ファウスト交響楽』
ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団(DG)
ベーレンス、サヴァリッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場(EMI)
(4)カラスのヴィオレッタは手抜き?
ヴェルディ『ラ・トラヴィアータ』
カラス(ソプラノ)、ディ・ステファノ(テノール)、バスティアニーニ(バリトン)、ジュリーニ指揮 スカラ座管弦楽団(EMI)
(5)こんな録音じゃ聴く気がおきない!
①ブルックナー『交響曲第八番』『第九番』
シューリヒト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(EMI)
②マーラー『大地の歌』
クレンペラー指揮 (ニュー・)フィルハーモニア管弦楽団(EMI)
③マーラー『交響曲第八番』
クーベリック指揮 バイエルン放送響(DG)
(6)ベルリン・フィルは本当に最高なのか?
ブルックナー『交響曲第九番』
ヴァント指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(BMG)
(7)シカゴ響はそんなにうまいのか?
ドヴォルザーク『交響曲第九番「新世界から」』
ジュリーニ指揮 シカゴ響(DG)
4 大家
内容説明
つまらないCDを「名盤」ともちあげる骨ナシ評論がまかりとおっている。聴き手を甘やかすのもいいかげんにしろ!日本の音楽評論に裏切られてきた著者たちが、そんな「名盤」をねんごろに供養。同曲異演奏を徹底的に吟味し、気分ではなく理性を、陶酔ではなく覚醒を求めるファンだけに贈る過激な評論集。
目次
第1章 青嵐篇―こんな解釈のどこがいい?(脱ウィーン的ウィンナ・ワルツとの正しい付き合い方;地球温暖化から『田園』を守る ほか)
第2章 春雷篇―こんな演奏家のどこがいい?(「偽善の微笑みを忘れずに」;フルトヴェングラーの「名盤」を破壊せよ ほか)
第3章 疾風篇―こんな音楽のどこがいい?(源さんの目つき;デル・モナコのヤケッパチ歌唱の嘘 ほか)
第4章 大家が語るクラシックの世界