出版社内容情報
『ゴジラ』『ガメラ』が描く黙示録の世界、『エイリアン』の胎内感覚、人が光になる物語『ウルトラマン』──自滅へと向かう人類が生み出した壮大な神話劇にして、世紀末を生きるわれわれの絶望と希望を語る怪獣映画の魅力を解き明かす。
序 オール・ザット・怪獣映画
1 怪獣世界大戦
(1)『GODZILLA』――堕ちた神
(2)蘇る伝説プルガサリ
(3)日本怪獣迎撃作戦
2 神々の黄昏、人間の解体
(1)神獣の誕生
(2)骨との対話
(3)武田泰淳のゴジラ魂
(4)フランケンシュタインの系譜
(5)神々のプロレスもしくは怪獣ドグラ・マグラ
(6)その後の仁義なき怪獣戦争
(7)エイリアンと人間モドキ
(8)レプリカントは胎児の夢を見るか?
(9)ドッペルゲンガーの憂鬱
(10)間奏曲『ゴジラ対ガメラ』?
(11)空飛ぶカメの黙示録
(12)人間怪獣時代もしくはネオ・ルネッサンスとしての怪獣映画
3 電脳・超能力少女の未来型
(1)メディアとしての少女
(2)ホムンクルスの創造
(3)真夜中の巫女たち
(4)いくたびも七瀬
4 特撮の世紀
(1)円谷英二の特撮マインド
(2)世界模型・宇宙模型としての特撮大パノラマ
5 光の巨人伝説
(1)WOO対アンバランス
(2)ブラウン管のなかの異界(アンバランスゾーン)
(3)反世界のウルト
内容説明
『ゴジラ』『ガメラ』が描く黙示録の世界、『エイリアン』と人間モドキ、『ブレードランナー』が見た胎児の夢、真夜中の巫女たち、円谷英二の世界模型、人が光になる物語『ウルトラマン』―それらは、いまや自滅への道を驀進しつつある人類が錯乱と妄想の果てに生みだした壮大な神話劇であり、人間怪獣時代を生きるわれわれの絶望と希望を語る説話群である。怪獣映画の語り尽くせぬ魅力を展開する闇の神話論。
目次
序章 オール・ザット・怪獣映画
第1章 怪獣世界大戦
第2章 神々の昔昏、人間の解体
第3章 電脳・超能力少女の未来型
第4章 特撮の世紀
第5章 光の巨人伝説
終章 もっと闇を!