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“ハーフ”とは誰か―人種混淆・メディア表象・交渉実践

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  • サイズ A5判/ページ数 296p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787233714
  • NDC分類 316.81
  • Cコード C0036

内容説明

日本で“ハーフ”とはどのような存在なのだろうか。戦前から戦後、現在に至る人種混淆の言説を歴史的に整理し、映画・雑誌モデル・漫画・ポピュラー音楽などでの“ハーフ”の表象を検証する。そのうえで、「当事者」の声に耳を傾けて、グローバル化が進展するなか、日常で見えにくくされている“ハーフ”を取り巻く構造化された他者化の力学とカテゴリー化の文化政治を明らかにする。“ハーフ”をめぐる批判的考察をとおして、多様な背景・出自をもつ人々がともに等しく生きる多文化社会の醸成に向けた新たな視点・論点を切り開く論考集。

目次

“ハーフ”が照らし出す人種混淆の文化政治
第1部 「ハーフ」言説の歴史的検証(日本における人種・民族概念と「日本人」「混血」「ハーフ」;ミックス・レースはどう語られてきたか―「ハーフ」にいたるまでの言説をたどって)
第2部 「混血/ハーフ」をめぐる表象(戦後日本映画における“混血児”“ハーフ”表象の系譜;“ハーフ”の身体表象における男性性と人種化のポリティクス;少女マンガにおける「ハーフ」キャラクターの表象)
第3部 日系人の国際移動と人種混淆の商品化(「ハーフ」になる日系ブラジル人女性;カバー・シンガー:ジェロ―日本の混血児)
第4部 表象を超えて(“ダブル”がイシュー化する境界域―異なるルーツが交錯する在日コリアンの語りから;“ハーフ”というカテゴリー化に関する“当事者”への聞き取り調査)
付録 現代日本の若者が抱く「ハーフ」に対するイメージ―大学生への質問紙調査から

著者等紹介

岩渕功一[イワブチコウイチ]
モナッシュ大学教授、モナッシュ・アジア研究所所長。専攻はメディア文化研究、文化グローバリゼーション研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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awe

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「ハーフ」の人々は、戦中〜戦後間も無くは「混血」と称されており、彼/女らには東アジアの植民地の幻影が付きまとっていた。「混合民族論」を体現した存在、或いは「純粋な日本人」の「他者」として、好奇の視線に晒されていたのだ。しかし70年代以降、「ハーフ」という言葉がメディアに登場してくる。これは「混血」とは違い「白人」「女性」を想起させ、「美」を連想させるものとなる。ここでは「ハーフ(混血)」の歴史が無化され、商品化される傾向があるのだ。だが依然として「ハーフ」は「日本人」構築のための「他者」であり続けている。2018/10/17

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