内容説明
「仲間をつくれ」「働け」。的はずれを含めた多くの批判にさらされ、「回復」へと駆り立てられるひきこもりの“当事者”たち。対人関係の獲得や就労の達成という「社会参加」とそうすることの意味のはざまで、「なぜ働くのか/なぜ生きるのか」と彼/彼女らが抱いている不安や焦燥を、聞き取り調査をとおして描き出す。そして、「自己防衛戦略」や「存在論的不安」などの視点から、“当事者”たちにとって「ひきこもる」とはどのような経験なのかを浮き彫りにする。必要なのは“当事者”に共感することではなく、むやみに「回復」をめざさせるのでもなく、彼/彼女たちを理解することだと主張・提言する社会学の成果。
目次
第1章 問題意識―フィールドでの経験から
第2章 「ひきこもり」の社会的文脈
第3章 自己防衛戦略としての「ひきこもり」
第4章 自己を語るための語彙の喪失としての「ひきこもり」
第5章 人生における危機/転機としての「ひきこもり」
第6章 問うという営みとしての「ひきこもり」
第7章 生きていくことを覚悟する
第8章 「ひきこもり」再考
著者等紹介
石川良子[イシカワリョウコ]
1977年、神奈川県生まれ。横浜市立大学非常勤講師。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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