内容説明
本新刊書で、アブラハム・パイスは、戦後数年間をアインシュタインと共に研究した秀れた物理学者として、アインシュタインの全著作の発展を跡づける。アインシュタイン科学をその成功と失敗の両面にわたって包括的にも奥深く扱った初めての書物である。
目次
1 序論(相対論と量子論;若き物理学者の肖像)
2 統計物理学(エントロピーと確率;分子の実在性)
3 特殊相対性理論(神は老獪にして;新しい運動学;歴史の縁)
4 一般相対性理論(わが生涯で最も素晴らしい考え;プラハの論文;アインシュタイン―グロスマンの共同研究;重力の場の方程式)
5 その後の旅路(「突然有名になったアインシュタイン博士」;統一場理論)
6 量子力学(光量子;アインシュタインと比熱;光子;アイデンティテイの喪失―量子統計の誕生;過渡期の人、アインシュタイン―波動力学の誕生)
7 旅路の終り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
60
いま読んでいるスティーブン・ブディアンスキ著の伝記「クルト・ゲーデル」の中で本書に言及があった。懐かしい本。アインシュタインファン(?)の我輩は、本書の刊行直後にこの大部な本を買って読んだ。アインシュタイン伝の基本文献。……が、2008年2月末の帰郷の際、生活費やら引っ越し代を捻り出すため、東京在住時代の蔵書の大半を売却。そう、本書も手放した。古書でいいから、再度 入手したい。
LvzaB
0
アインシュタインの伝記。これ以上ないくらいの大部であり、数式もバンバン出てくるので読み辛いけど、非常に詳しく書かれている。本書を読むと、教科書では非常に美しく記述されている一般相対論も彼が苦悩の上に作り上げられたものであることが分かり、また量子力学に「完全に」否定的であるという、世に浸透した間違った認識も覆る。そして統一場理論。その仕事が成功しなかったためか、本書では否定的に描かれている。だが、今でも多くの物理学者が統一の夢を掲げている事実を鑑みるに、彼のやることは失敗ですらも偉業であることは間違いない。2019/12/27