出版社内容情報
アルコール使用障害を明確に定義した上で,診断と治療のガイドラインに沿って実証研究に支持された治療法を示したコンパクトな一冊。
アメリカ心理学会(APA)の粋を結集した疾患別臨床マニュアル!
このシリーズの編集方針は,まず何よりも実務にすぐ利用できる読みやすいコンパクトな本であることである。それ故に,豊富な図表,臨床のツボ,症例スケッチ,患者教育資料がちりばめられている。そして記載された技法や理論の基礎となる文献が豊富に引用されている。このシリーズの本は,心理療法家の頂上に立つ指導者から裾野で訓練を受けている学生まですべての人の診察室やカウンセリングルームに置かれる価値があると思う。
(「監修者序文」より)
これまでに行われた長期経過に関する調査から,双極性障害は,再発の危険性が高いこと,難治例が少なくないこと,社会生活機能が大きく障害されること,自殺完遂率が高いことなどがわかっている。したがって,双極性障害の治療は,急性期だけでなく維持療法期も含めた長期的視点に立った治療選択をする必要がある。
本書には,治療の中心となる薬物療法を補完するものとして,心理教育,家族療法,認知行動療法,対人関係・社会リズム療法などの心理療法について,具体的な技法の解説や臨床場面での応用法などがまとめられている。
監修者序文
内容説明
アルコール使用障害に携わる臨床家にとって進歩的かつ有用な介入方法が数多く紹介された実践的なテキスト。アルコール使用障害についての分類や定義といった概論から始まり、理論とモデル、診断、そして治療へとテーマが展開され、それぞれがエビデンスに基づいた内容となっている。具体的な患者とのやりとりを記した「臨床スケッチ」や、すぐに臨床現場で使用できる10種類の質問紙や記録表などの巻末付録つき。
目次
1 アルコール使用障害に関する解説
2 アルコール使用障害の理論とモデル
3 診断と治療の指針
4 治療
5 参考図書
6 文献
7 付録:ツールと資料
著者等紹介
メイスト,スティーヴン・A.[メイスト,スティーヴンA.] [Maisto,Stepen A.]
シラキュース大学の心理学教授。総合医療を行うVAセンターの研究ディレクター。1975年にウィスコンシン・ミルウォーキー大学で実験心理学でPhDを取得し、1985年にバンダービルト大学ジョージ・ピーボディカレッジで臨床心理学の学位取得後再専門教育を終えた。研究および臨床における関心事は、アルコールや他の薬物使用障害の評価や治療、HIVの予防、一次医療環境における保健行動の統合など
コナーズ,ジェラード・J.[コナーズ,ジェラードJ.] [Connors,Gerard J.]
ニューヨーク州立大学バッファロー校の依存研究所のディレクター、上級研究員。1980年にバンダービルト大学から臨床心理学の博士学位を授与された。研究における関心事は、アルコール使用障害の治療、再発予防、自助グループへの参加、大量飲酒者への早期介入、治療評価など。米国心理学協会(臨床心理と依存の部門)の一員
ディアリング,ロンダ・L.[ディアリング,ロンダL.] [Dearing,Ronda L.]
ニューヨーク州立大学バッファロー校の依存研究所研究員。2001年にジョージ・メイソン大学で臨床心理学で学位を取得。研究における関心事は、アルコールや物質乱用者の援助要請、物質乱用の治療アプローチ、恥と罪が行動や健康に及ぼす影響など
福居顯二[フクイケンジ]
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学教授、京都府立医科大学卒。精神科医、博士(医学)。京都府立医科大学精神医学教室助手・講師を経て1996年より教授。2003年より大学院改組により現職。日本アルコール・薬物医学会理事長(2007‐2009)、日本精神神経学会代議員、日本生物学的精神医学会評議員、日本摂食障害学会理事、日本サイコオンコロジー学会理事、日本老年精神医学会評議員、日本認知療法学会監事他
土田英人[ツチダヒデト]
京都府立医科大学/京都府立医科大学大学院講師、東北大学医学部卒。精神科医、博士(医学)。京都府立医科大学精神医学教室助手、明石市立市民病院心療内科医長を経て、2009年より現職。2010年から京都府健康管理医(精神保健担当)を経て、2012年より再び現職。日本アルコール精神医学会評議員、日本認知療法学会評議員、日本不安障害学会評議員、日本生物学的精神医学会評議員他。日本精神神経学会専門医、日本臨床精神神経薬理学会専門医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。