出版社内容情報
早期避難により被害を防いだ事例、情報を活用できなかった事例…災害対策の成功・失敗を鋭く分析。今後の有効な防災対策を説く。
目次
第1章 豪雨災害と災害情報に関する基礎的概念
第2章 73年前にもあった豪雨―1999年6月29日広島豪雨災害
第3章 認知されない・使われないリアルタイム水文情報―2002年7月台風6号および前線による豪雨災害
第4章 リアルタイム水文情報の具体的活用例を初確認―2003年7月梅雨前線豪雨による災害
第5章 情報による減災効果の限界―2004年10月20~21日の台風23号による豪雨災害
第6章 避難により人的被害はまぬがれたが―2005年台風14号による宮崎県日之影町での被害軽減事例
第7章 災害情報研究のこれから―まとめに代えて
著者等紹介
牛山素行[ウシヤマモトユキ]
1968年長野県生まれ。信州大学農学部森林工学科卒業、岐阜大学大学院連合農学研究科博士課程(信州大学配置)修了。岐阜大学博士(農学)、京都大学博士(工学)。東京都立大学理学部客員研究員、京都大学防災研究所助手、東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター講師などを経て、岩手県立大学総合政策学部准教授。専門分野は豪雨災害を中心とした自然災害科学、災害情報学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TOYODA Eizi
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ソフト防災 non-structural measures が近年とみに語られる。その有効性を評価するには情報によって被災が防がれた成功事例を調査計数せねばならないはずである。それがなかなかなされていない、稀有な研究。本書でも述べられるように各種リアルタイム情報が広く入手可能になったのはここ10年程度のことなので、この種の研究には今後も期待する。2012/07/10
こばこ
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豪雨に伴って起こる災害という状況下での情報の出され方、それによる効果について詳解した本。 数個のケースを引き、一言に「豪雨の災害情報」といっても、場合によって求められる情報が違い、効果も異なり、またその効果に限界もある、ということが良く説明されていて、大いに参考になった。 個人的には「豪雨の災害情報」というところには濃く接して行く可能性が有るので、何度も再読し、知見を吸収して行きたいと考える。2011/10/26