内容説明
極限状態で人はどうやって用を足したのか。戦場のトイレ徹底研究!
目次
第1部 民間のトイレ(戦前期の便所と下水;江戸時代の便所システム;明治期の便所システム;大正期の便所システム;昭和前期の便所システム;大東亜戦争期の便所システム)
第2部 陸軍の厠(陸軍の衛生と厠;陸軍の消毒方法;兵営の便所;戦場の便所)
著者等紹介
藤田昌雄[フジタマサオ]
1972年、東京都に生まれる。日本陸軍を中心に兵站、軍事史を研究する。軍事史学会会員、軍事法規研究会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
15
前半は江戸時代から太平洋戦争までの日本のトイレ事情、後半は陸軍の衛生対策と戦時も含めたトイレ対応について。取り敢えず冬の満洲みたいな糞尿が凍る寒冷地での排泄の困難さが1番印象に残る。2020/08/04
shamrock
12
江戸から大東亜戦争頃にかけての日本のトイレ史。今も昔も軍隊に疫病は禁物。明治期の防疫マニュアルが、令和のコロナ対策と同じ。どんなに医学、科学が発達しても、手洗い励行に勝るものはないのだ。2020/10/06
高木正雄
3
前半は民間のトイレの話。屎尿の海洋投棄のために船舶を建造していたとは驚いたし、それを徴用するとは…陸軍での厠は満蒙方面の寒冷地の話や、輸送船舶の話が面白かった。船から立ちションしたら落ちそうで怖いが、そういう写真もたくさんありよかった。難点としては昭和はともかく、明治大正の法令をそのまま引用しているので難解であったことと、校正が甘いことかな2023/11/30
Hiroki Nishizumi
3
陸軍と、と言うより近代日本における厠全般について語る本。何事にも想像を絶するような手間隙と知恵と人力がかかっていたことを実感した。2020/07/27
剛田剛
2
「陸軍と」というより、第一部の「民間のトイレ」が面白かった。都市計画の上で、伝染病の蔓延につながる「排泄物をどう処理するか」というテーマはその他の課題よりずっと神経質な対処が要求される問題である。特にかつて肥料として屎尿を利用してきた我が国では、「流して終わり」とできない事情があった。2020/01/29