内容説明
断絶と連続のアジア布教史。16世紀以降、イエズス会のアジアにおける布教事業は、インドから日本へ、日本から中国へと進められた。宣教師たちはそれぞれの文化に適応しつつ、新たな信者たちの「倫理」や「戒律」の基準をどのように修正していったのか―。司祭の手引書から書翰集、聖人伝まで、膨大な史料を渉猟し、連続性と断絶を明らかにする。
目次
序説 良心問題とは何か
第1章 発見地の領有と異教徒の権利―ビトリア、グロティウス、フレイタスの議論
第2章 キリシタン時代の神学と良心問題
第3章 信仰と奴隷制―インドにおける奴隷に対する授洗論
第4章 フランシスコ・ロドリゲスの日本の婚姻問題決疑論
第5章 キリシタン大名大友宗麟をめぐる良心問題
第6章 イエズス会のインド史研究と日本書翰集の編纂―布教情報の伝達と整理を中心として
第7章 「神学」に加えられた日本人の祖先崇拝―ペドロ・ゴメス「講義要綱」からの考察
第8章 キリシタン時代の良心問題に関する手引書について―マルティン・デ・アスピルクエタとその周辺
第9章 殉教の論理と潜伏の論理
第10章 キリシタン教会の殉教録と聖人伝―ヨーロッパから日本・中国へ
第11章 艾儒略『滌罪正規』解題
結論
著者等紹介
浅見雅一[アサミマサカズ]
慶應義塾大学文学部教授。1962年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂所助手、同助教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。博士(文学)。専門はキリシタン史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。