出版社内容情報
従来の「発がん性試験」を根底から変えるマウスとそれを安定供給する世界標準システムを構築
▼公益財団法人実験動物中央研究所(実中研)は、実験動物をいかに人のために活かすかを底流に実験動物の開発、均一化、量産化を実現してきた。その中でヒトのがん遺伝子を人為的に組み込んだのがrasH2マウスであり、従来2年かかっていた発がん性試験を6カ月に短縮し、世界中に安定供給するシステムを開発・実用化した。欧米をはじめ海外で本格的な学術/営業活動を展開する中で、「単体」のマウスを提供するのではなく、トータルな動物実験システムとしての提供を確立した。
2022年、実中研は創立70周年を迎えた。創立以来、常に利用者を意識してきたその風土が「世界標準システム」に結実したのだ。バイオ関連に限らず、大切な人生を前向きに生きたいすべての人々に、ぜひ読んでいただきたい1冊である。
目次
第1章 「rasH2マウス」存続の危機(rasH2マウスの存続にかかわる“事件”;発がん性試験が変わる!! ほか)
第2章 世界に認知してもらうために(国際的マウス生産・供給体制の構築;日本クレアと生産・販売契約 ほか)
第3章 世界トップレベルの品質管理(創立のDNAを継承して;生きた物差しとしての実験動物 ほか)
第4章 人の役に立ってこそ(実中研だからこそできたシステム;動物を売るのではなく、システムを提案すること ほか)
資料編
著者等紹介
野村龍太[ノムラリュウタ]
1953年、東京生まれ。慶應義塾にて16年間学び、1976年、慶應義塾大学商学部を卒業。三井物産株式会社入社、医薬、医療、バイオ関連商品を担当。東京、大阪、米国ニューヨーク、ドイツデュッセルドルフ、シンガポール等で営業業務と役員業務秘書等を経験、バイオ事業の責任者を最後に2003年退社。財団法人実験動物中央研究所に入所。専務理事を経て、2013年より理事長。現在、川崎殿町キングスカイフロントネットワーク協議会会長、藤田医科大学客員教授、オーディオテクニカ奨学会評議員他、国内4社・海外2社の社外役員を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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