出版社内容情報
▼皇位継承問題の政府会議で有識者ヒアリングに招かれた著者による、皇室制度研究の集大成。
▼古代日本の律令国家と近代日本の明治国家の形成に天皇・皇室が果たした役割を明らかにする。
天皇制国家の形成はそれに先立つ時代の封建的・地方分権的国家体制を大きく再編する一大事業であり、日本史上、古代と近代で2度行われた。
律令国家と明治国家それぞれの形成期の中央集権化に対し、天皇や皇室そして宮中が国家や民衆・国民を統合する重要な政治的機能を果たしてきたことを、政治学・法制史・歴史学的観点から分析・考察を行う。
目次
第1部 天皇制国家の形成と皇位継承法(皇位継承法の形成と女帝の役割;明治皇室典範の制定過程と柳原前光;現行皇室典範の制定と矛盾の内包)
第2部 天皇制国家の形成と皇室制度(律令国家の成立と皇位継承;明治皇室制度の形成と天皇統治論;皇室財産制度と宮中・府中関係)
第3部 天皇制国家形成期の地方巡幸と宮中(天皇制国家の形成と六大巡幸の機能;地方巡幸の制度化と宮中勢力;明治国家形成期の宮中と府中)
補論(皇室典範制定過程の再検討;皇位継承の歴史と皇統の危機)
著者等紹介
笠原英彦[カサハラヒデヒコ]
慶應義塾大学法学部教授、法学博士。1956年東京生まれ。1980年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、1985年同大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。1985年慶應義塾大学法学部専任講師、1989年同助教授、1993年同教授。この間、1988年~89年、2000年~01年米国スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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