地下出版のメディア史―エロ・グロ、珍書屋、教養主義

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  • サイズ A5判/ページ数 465p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766428032
  • NDC分類 023.1
  • Cコード C3036

出版社内容情報

近代日本の誇る教養主義の「裏通り」を一望する!

軟派出版の世界で、道楽知識人たちは国家権力と戯れ、一大文化空間を築いた――
「低俗」出版文化の歴史と「書物」「エロ」への欲望を可視化する意欲作
近代日本の出版文化は、岩波書店と講談社に代表される「知識人/大衆」という対比構造によって、しばしば教養主義の観点から論じられてきた。しかし、読書が大衆化した時代に、この図式に収まりきらない非正統的で「知的」な地下出版空間が存在した。
本書では、これまで閑却されてきた非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。
「好色出版の帝王」梅原北明、「書痴」斎藤昌三、「軟派出版界の元老株」伊藤竹酔、「毒舌和尚」今東光など、多くの出版人の足跡を追いながら、同時代の社会運動や芸術運動とのかかわりのなかで広がった「知のネットワーク」を明らかにする。

内容説明

近代日本の出版文化は、岩波書店と講談社に代表される「知識人/大衆」という対比構造によって、しばしば教養主義の観点から論じられてきた。しかし、読書が大衆化した時代に、この図式に収まりきらない非正統的で「知的」な地下出版空間が存在した。本書では、これまで閑却されてきた非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。「好色出版の帝王」梅原北明、「書痴」斎藤昌三、「軟派出版界の元老株」伊藤竹酔、「毒舌和尚」今東光など、多くの出版人の足跡を追いながら、同時代の社会運動や芸術運動とのかかわりのなかで広がった「知のネットワーク」を明らかにする。

目次

教養主義の「裏通り」
第1部 地下出版界の前史(“社会運動”としての自費出版同盟―毒舌和尚・今東光と雑誌『文党』の挑戦;文藝市場社の「誕生」―烏山朝夢から梅原北明へ;「直筆原稿」のメディア論―文藝市場社の設立と直筆原稿叩き売り)
第2部 地下出版界の成立過程(“変態”な教養/教養としての“変態”―逆立ちした教養主義;愛書趣味とオブジェとしての書物―軟派出版界と限定本の快楽;“談奇”の表象と東アジア―理想郷イメージとしての上海)
第3部 地下出版界の成熟と瓦解(「地下出版界」の最期―大衆化するエロ・グロ・ナンセンスと珍書屋の受難;「裏道の文化」の行方―戦後に残された軟派出版界の残滓)
「撹乱」する思想としての地下出版

著者等紹介

大尾侑子[オオビユウコ]
1989年東京都生まれ。桃山学院大学社会学部准教授。2014年、東京大学大学院学際情報学府博士後期課程満期退学、博士(社会情報学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

19
1920年代から30年代にかけて「エロ(性風俗)・グロ(犯罪、猟奇)」というジャンルに特化し「軟派出版界」と呼ばれた地下出版メディアに関する研究書。梅原北明を中心としたネットワークを社会学的に分析し、『変態十二史』といった叢書や様々な会員制雑誌の出版活動と当時の検閲状況も辿る。高級文化を気取る岩波文化とも低俗で粗末なカストリ文化とも違う、「高級文化としてのエロ・グロ」と呼ぶべきメディア文化圏が存在しており、特に「変態」と「教養」についての論考は、なかなかどうして奥深いものがある。このテーマの学術書は貴重。2022/12/30

志村真幸

4
 著者は社会学、メディア研究の研究者。  本書は、戦前の地下出版を代表する北原北明の足跡を追ったもので、そのなかから教養主義に相対するものとしての出版文化を浮かび上がらせ、改めて位置づけようと試みている。  構想が壮大であり、導かれる結論も説得的。これまで趣味人のあいだでは知られていた世界に、学術的な光を当てた点に価値がある。利用されている資料も膨大で、あちこち目が行き届いている。  いささか若書きの印象はあるものの、出版文化史、メディア史を一変させる可能性をもつ重要な一冊と思う。 2022/10/31

古本虫がさまよう

4
「近代日本の誇る教養主義の「裏通り」を一望する!」とのふれこみだが、ハイド系出版物の歴史に関して、大学出版会ともあろうものが(これは誉めている!)こういう一冊をだしたとは……。「高級文化-岩波」「低級文化-カストリ雑誌」と一般に思われている単純化された「二項図式」をなぞることなく、その図式を問い直すことを主眼にしてまとめたとのこと。その中間としての「高級文化としてのエロ・グロ」もありえたのではないかと問題提起。野坂昭如氏はカストリ雑誌にも「結構なもの」と「お粗末なもの」があったと指摘しているそうな。2022/05/14

turutaka

0
00年代中盤までくらいのエロ本のエロくないページが大好きだった。サブカルオカルトなんでもありのバリトゥードスタイル全開のあのページの祖先はこんなところにあったのかなぁと思う。 インディペンドな出版が戦前からこんなふうに戦っていたという記録。 少々読みにくいが面白い。2023/08/31

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