出版社内容情報
「民主主義国家・韓国」は、三・一独立運動からはじまったのか?
日本・中国・米欧・ロシアを含めたグローバルな視点から独立運動の歴史的過程を丹念に描き、文在寅政権の掲げる「建国」神話を問い直す
三・一独立運動とは、1919年3月1日に日本の植民地支配からの「解放」を目指した朝鮮人らが起こした示威運動である。現在の文在寅政権は、この運動の歴史的評価をさらに高め、1919年を「民主主義国家・韓国」の「建国」年と位置づける言説を浸透させようとしている。
右派左派の衝突が激化し、歴史解釈自体が政治化するなかで、本書はあらためて三・一独立運動を中心とする独立運動史を、世界史の視点から復元する。
「建国」問題の核心・大韓民国臨時政府の樹立、第一次世界大戦において提唱された「民族自決」の影響、日本・中国・米欧・ロシアを舞台にグローバル化していく過程、北朝鮮を生み出した社会主義の可能性と南北分断に着目しつつ、独立運動をダイナミックに描くことで、分裂する歴史認識の溝を埋め、未来への新たな展望を拓こうとする。
内容説明
三・一独立運動とは、一九一九年三月一日に日本の植民地支配からの「解放」を目指した朝鮮人らが起こした示威運動である。文在寅政権は、この運動の歴史的評価をさらに高め、一九一九年を「民主主義国家・韓国」の「建国」年と位置づける言説を浸透させようとしている。右派左派の衝突が激化し、歴史解釈自体が政治化するなかで、本書はあらためて三・一独立運動を中心とする独立運動史を、世界史の視点から復元する。「建国」問題の核心・大韓民国臨時政府の樹立、第一次世界大戦において提唱された「民族自決」の影響、日本・中国・米欧・ロシアを舞台にグローバル化していく過程、北朝鮮を生み出した社会主義の可能性と南北分断に着目しつつ、独立運動をダイナミックに描くことで、分裂する歴史認識の溝を埋め、未来への新たな展望を拓こうとする。
目次
序章 三・一革命―独立運動と変容する韓国ナショナリズム
第1章 第一次世界大戦―共和制か帝政か
第2章 民族自決―戦略としての民主主義
第3章 三・一独立運動―支配者、協力者、そして情報源としての日本
第4章 朝鮮ナショナリズム―三・一後の独立運動の行方
終章 韓国「建国」の起源
著者等紹介
小野容照[オノヤステル]
1982年横浜市生まれ。九州大学大学院人文科学研究院准教授。専門は朝鮮近代史。2012年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、京都大学人文科学研究所助教を経て2017年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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