出版社内容情報
▼「自立活動」のカリキュラム・マネジメントをいかに行うか。
▼教育現場への調査から浮かび上がる課題と、その解決策を提示。
特別支援教育におけるカリキュラム・マネジメントの導入が本格化するなかで、特別支援教育の核である「自立活動」に不安を抱える教師が多い。
教師、保護者への調査から得たエビデンスを元に、重度・重複障害教育における自立活動とカリキュラム・マネジメントのあり方を提言する。
内容説明
重度・重複障害教育では、「自立活動」を中心として「個を基点とする教育」が追究されてきた。教師たちは、何を拠りどころに子どもの成長や自立した姿を描き、「今、何をすべきか」を導き出し、実践してきたのか。そして、どのような力を育むことができたのか。教育課程編成において「自立活動」が中心となってから半世紀近く経つ今、特別支援学校(肢体不自由)に現在勤務する教師と、卒業生の指導をかつて担当した教師を対象とした調査、さらに在籍当時の指導に対して保護者がどう評価しているのか追跡調査を行い、重度・重複障害教育のこれまでの成果と課題、そして教員養成及び教師の力量形成のあり方を提示する。
目次
第1部 重度・重複障害教育の変遷からみえてくる課題(我が国における教育課程編成基準の変遷―通常教育、特殊教育、特別支援教育において;重度・重複障害教育の実践上の課題)
第2部 教師・保護者を対象とした調査からみえてくる課題(「実施するカリキュラム」立案における指導の展望の期間と特性―“調査1”カリキュラム立案教師へのアンケート調査から;「実施するカリキュラム」の立案を担う教師の不安と、学校組織の課題―“調査2”経験年数の異なる重度・重複障害教育担当教師の面接調査から;「達成したカリキュラム」についての課題を保護者の評価から追究する―“調査3・4”重度・重複障害の卒業生の保護者を対象とした調査から;「実施するカリキュラム」の立案の背景と、「達成したカリキュラム」の評価―“調査5”重度・重複障害の卒業生を当時担当した教師の追跡調査から)
第3部 重度・重複障害教育における自立活動の課題解決にむけて(教員養成カリキュラムと現職研修の現状と課題―自立活動の指導の力量形成を図る研修をめざして;自立活動のカリキュラム・マネジメント構築)
総括と自立活動の展望
著者等紹介
一木薫[イチキカオル]
福岡教育大学特別支援教育ユニット教授。博士(障害科学)。専門は特別支援教育、肢体不自由教育。筑波大学大学院人間総合科学研究科障害科学専攻博士課程単位取得満期退学。筑波大学附属桐が丘特別支援学校教諭、2008年福岡教育大学助教などを経て、2017年より現職。中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会臨時委員、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議委員など要職を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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