出版社内容情報
――モザイク国家の苦悩と現実――
世俗主義/政教分離を国是としたトルコ。
しかし1980年代以降、イスラームが公定イデオロギー化され、
クルド人などの民族的マイノリティーや、
アレヴィ―などの宗教的マイノリティー問題により、その枠組みは動揺している。
多様性を包摂した「国民統合」政策の抱える矛盾と困難を描き出す、意欲作。
内容説明
モザイク国家の苦悩と現実。世俗主義/政教分離を国是としたトルコ。80年代以降、イスラームが公定イデオロギー化され、宗教的・民族的マイノリティー問題により分裂が生じている。多様性を包摂した「国民」統合の困難を描き出す、意欲作。
目次
序 「多様性」の受容に苦悶するトルコ共和国
第1章 「トルコ国民」の創造とその矛盾―多民族国家のネイション概念
第2章 「トルコ・イスラーム総合」への道―国民概念の矛盾の拡大
第3章 民族‐宗教的連帯の確立―宗務庁が目指す国民統合
第4章 宗教的亀裂―アレヴィーの排除
第5章 民族的亀裂―クルド人の排除
第6章 政治的イスラームの亀裂―ギュレン運動からみる多様性包摂の課題
第7章 エルドアン政権下のトルコ国民統合政策とその限界
終章 「トルコ民族」から「トルコ国民」の国家へ―ナショナル・アイデンティティーの再構築をめぐる課題
著者等紹介
鈴木慶孝[スズキヨシタカ]
1987年茨城県生まれ。2018年慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門領域は国際社会学、多文化主義・多文化共生研究、トルコ研究。現在、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。清泉女子大学、津田塾大学で非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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