出版社内容情報
▼ルードルフ・オットー生誕150年を記念し、宗教学の祖であるオットーの思想の全貌を明らかにする。
キリスト教神学からいかに宗教学は生まれたのか? 宗教学の祖ルードルフ・オットーの〈三つの顔〉――キリスト教神学者、哲学者、宗教学者――を有機的に連関させることで、思想の全貌を明らかにする。宗教学そのものの在り方に迫る一冊。
内容説明
「聖なるもの」の経験を言語化し、「西洋」と「東洋」が出会い、融合するパースペクティヴを追究した思想家の生涯と思想を描き出す。
目次
序章 宗教学の誕生―十九世紀ドイツの神学と宗教学
第1章 キリスト教神学者としての生涯
第2章 東洋への旅―原点としてのインド
第3章 「聖なるもの」の比較宗教論
第4章 宗教史学派の影響と宗教の展開性
第5章 東洋と西洋の宗教における平行性
第6章 「絶対他者」の概念とヒンドゥー教
第7章 救済の思想としてのヴェーダーンタ哲学
第8章 新たな宗教理解ヘ向けて
結論 オットーの三つの顔
著者等紹介
澤井義次[サワイヨシツグ]
天理大学宗教学科教授。専門は宗教学・インド学・天理教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
4
一応は全ての宗教をフラットにして考察すること前提になっている宗教学という学問。しかし、その初期時代はやはりキリスト教中心であったという事実が重たい。そもそも近代の学問が西洋中心である以上、その宿痾は逃れがたいのだが、それをいかに相対化するかが、課題となってくるわけで。オットーも、そうした意識が少なからずあるということも伺える。また、そうしたキリスト教中心という姿勢がありながらも、東洋の宗教に真摯に対峙する直向きさには感動さえ覚える。ヒンドゥー教に新たな興味がわくのと同時に『聖なるもの』を読み返したくなる。2022/02/11