養蚕と蚕神―近代産業に息づく民俗的想像力

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養蚕と蚕神―近代産業に息づく民俗的想像力

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  • サイズ A5判/ページ数 336p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766426441
  • NDC分類 630
  • Cコード C3021

出版社内容情報

蚕を育てる女たち、

その身体技術と近代科学の融合



科学知と在来知、国家イデオロギーと民俗的想像力――。

国家政策と女性たちの感情・感覚のせめぎ合いから、

近代養蚕業の新たな姿を紡ぎ出す。



なにごとも 蚕が思うままにして

さからわぬこそ 蚕のみち



繊細を極め、人の手を借りなければ生きられない〈お蚕さま〉。

その飼育を担ったのは近代的な大工場ではなく、

農村の女性たちの熟練した身体的技術と、連綿と受け継がれてきた民俗的想像力だった。

近代産業のもう一つの側面を鮮やかに織り上げる、気鋭の力作。

内容説明

科学知と在来知・国家イデオロギーと民俗的想像力―。国家政策と女性たちの感情・感覚のせめぎ合いから、近代養蚕業の新たな姿を紡ぎ出す。

目次

養蚕と蚕神
1部 養蚕の国策近代産業化―蚕を巡る制度・科学・イデオロギー(在来知から科学知へ―蚕種生産を巡る知の体系;育てる技術の標準化と限界;近代養蚕農家への再編―製糸会社の台頭;宮中養蚕に見る国家イデオロギーと蚕)
2部 金色姫物語の近代―養蚕における民俗的想像力の諸相(蚕影信仰と金色姫;金色姫物語と女性たち;蚕を育てる感覚と想像力;金色姫と皇后―女性たちの金色姫から、国民の金色姫へ)
近代産業化と民俗的想像力

著者等紹介

沢辺満智子[サワベマチコ]
1987年生まれ。2017年、一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻博士課程修了。博士(社会学)。学習院大学客員研究員、多摩美術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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27
最盛期には4割もの農家が蚕を生育していたが、良質で均一な大量の生糸が求められたことで、メンデルの法則を利用した一代交雑種の蚕の卵が国家から供給され、自家生産は許されなかったというのにビビった。好きな蚕を育てると繭にくびれが出ちゃうからバレるらしい。それまでは年に一度しか生育しなかったが、塩酸で刺激を与えることで複数回生育することも可能となった。女性の身体的な感覚と共に生まれ、暑ければ移動させ、寒ければ女性の体で温め、繭を紡いで死んでいった蚕が国家によって統制されていく様に国家が管理する命をみる著者。2021/05/02

Olive

11
読友さんに刺激され再読。第二部を重点的に。 異国から日本に流れ着き、自らの死体を蚕に化生させた金色姫信仰は女性たちにどのような形で信仰されていったのかについて書かれている。 国にとっては俗神と見做された信仰が、敢えて野に放たれたことで、その信仰を根底に女性の身体性、精神性が育まれていく。養蚕信仰と安産信仰との重なりは、女性の身体がもつ産む力と蚕を育てる力との親密な関係を基盤として発展していったと筆者は推測する。 国家権力と民族宗教が相対立するでもなく、逆に俗神が国家イデオロギーに回収されていく。面白いな。2022/06/23

MrO

8
一言で言えば、近代化の再検討。養蚕というと女工哀史みたいな単純な視点にとどまらず、女性たちの身体感覚、蚕との共感、共生、金色姫という民俗信仰といった対立項がからみあい、お互いに変容を遂げらがら近代化が進行していった様子を生き生きと伝える。国民優生法が養蚕の国家管理から出てきていたことに驚いた。若手女性研究者ならではの労作であると感心した。2020/02/21

Olive

5
社会学者である著者が実際養蚕農家で3年にわたりフィールドワークをした研究書である。 日本の養蚕業は明治以降強固な国家イデオロギーに組み込まれ、科学知による技術改良と組織化が進められる。一方、天皇制国家は公には民俗神である蚕神(金色姫)を肯定していなかったが、あえて野に放つことで民衆の自由な民族的想像力でもって連綿と継続され、ひいては国策の推進力となった。産業化過程と民族的想像力の二本のレールの枕木は女性の手による技術の蓄積と伝説上の俗神である金色姫信仰であった。 2020/06/24

ちり

3
“安丸良夫は、権力と一般民衆の結び目にあって活動するあらゆる中間的支配層こそが、権威ある中心を求めて天皇制に行き着き、これらの人々が民衆生活において天皇制を浸透させる上で重要な役割を果たしていたことを指摘している。安丸の指摘にあるように、養蚕農村社会においても、比較的社会的地位を持った男性たちが、養蚕地域に浸透していた民俗神金色姫と皇室・皇后との関係性を積極的に見出し、その関連性を強調するを通じて、自らの社会的地位を保ち、誇示しようとした側面があったと言えるだろう”2020/03/22

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