出版社内容情報
日本のネットカフェはなぜ個室なのか
アジア九都市との比較研究を通して、日本のネットカフェの特異性とコミュニケーションの可能性を探る。
「ネットカフェ難民」という言葉に象徴される、〈分断〉〈排除〉〈自己責任論〉。
それは、他者からの抑圧以上に、自分自身からの疎外として立ち現れる。
一方、他のアジア九都市のネットカフェは、日本とは異なる様相を帯びて、様々なかたちで人々に開かれている。
〈共にあること〉の困難を抱えた現代社会において、オンラインとオフラインの境界「ネットカフェ」に、コミュニケーションの可能性を探る。
内容説明
日本のネットカフェはなぜ個室なのか。アジア九都市との比較研究を通して、日本のネットカフェの特異性とコミュニケーションの可能性を探る。
目次
アジアのインターネット利用の比較と方法的問題
1 日本のネットカフェからアジアへ向けて(個室で一人きりになりたくて―現代日本のネットカフェの風景;日本におけるネットカフェの変遷―新聞の言説分析から;日本のネットカフェが開く問題圏―誰とどのようにインターネットを利用するのか;娯楽の場としてのネットカフェ―東アジア諸国のネットカフェの風景;ケアの実践者/対象者とネットカフェ―東南アジア諸国のネットカフェの風景1;現代メディア技術の問いとネットカフェ―東南アジア諸国のネットカフェの風景2)
2 東アジア・東南アジアのネットカフェから日本へ向けて(誰がためにゲームはある―韓国におけるネットカフェ;娯楽はどのように提供されるか―中国におけるネットカフェ;郊外化する店舗とその裏側―台湾におけるネットカフェ;移民の歌と託児所―香港におけるネットカフェ;多民族国家と統合という課題―シンガポールにおけるネットカフェ;英語と電圧安定器―フィリピンにおけるネットカフェ;ガラス張りの空間と恥―タイにおけるネットカフェ)
比較研究―グローバリゼーション下の歓待のために
著者等紹介
平田知久[ヒラタトモヒサ]
1979年生まれ。2008年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(人間・環境学)。京都大学大学院文学研究科研究員(グローバルCOE)などを経て、群馬大学社会情報学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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