出版社内容情報
▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(全10巻)、第5弾!
▼啓蒙思想の集大成、『百科全書』の世界へ。
革命神話と啓蒙神話に由来する紋切り型のイメージから離れて、ディドロとダランベールが構想した百科事典としての本来の姿に立ち戻ることで見えてくる景色とは? 『百科全書』の書物としての成り立ちをたどり、その知識の森へと案内する。
内容説明
啓蒙の一八世紀を象徴するフランス初の本格的百科事典『百科全書』。革命神話と啓蒙神話に由来する紋切り型のイメージから離れて、ディドロとダランベールが構想した百科事典という原点に立ち戻ってみよう。『百科全書』の書物としての成り立ちをたどり、広大無辺な知識への道案内を試みる。
目次
序 『百科全書』とは何か
1 『百科全書』を編む
2 『百科全書』はどう読まれたのか
3 『百科全書』の新機軸―人間知識のネットワーク化とビジュアル化
4 『百科全書』を読む、世界を読む
5 『百科全書』の哲学的な歴史批判
6 『百科全書』と同時代の科学論争
著者等紹介
井田尚[イダヒサシ]
青山学院大学文学部教授。18世紀フランス思想専攻。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。パリ第8大学博士課程修了。博士(DL)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
7
18世紀啓蒙主義を代表する『百科全書』についての本。「世界を読み解く一冊の本」という新手のシリーズだが、ポプラ社が「名著誕生」という題で訳したA Book that Shook the Worldシリーズの影響だろうか。日本人が書いた「百科全書」の数少ない入門書として読みやすく書かれている。とりわけ、出版背景の説明は、一般人の教養や大学のレポートレベルに最適。節ごとに良い話としてまとめたがるきらいがあるが(「有意義なのは間違いない」的な)、徹底して大学生を対象に絞ったとすればそれも美点かもしれない。2020/09/01
志村真幸
1
本書は、「世界を読み解く一冊の本」シリーズの一冊で、18世紀フランスの『百科全書』を総合的に紹介したものだ。 前半は、その編纂者・執筆者たち、出版までの経緯、どのように各項目が書かれたかなど。きわめて優れた見取り図となっており、『百科全書』の全体像を、最新の研究成果から知ることができる。 後半では、実際にいくつかの項目を取り上げるなどして、『百科全書』にこめられた思想を読み解こうとしている。具体的なイメージが見えてくるとともに、啓蒙主義や近代との相関関係についても理解することができた。2021/02/19
takao
1
ふむ2020/11/24
Úplněk
0
図書・図書館史でお馴染みのディドロとダランベールによる『百科全書』。啓蒙主義のもとで人間中心の知の編成を志向し、キリスト教的世界観に挑んだことがわかった。党派性ゆえに記述が偏っていたことや、実際に職人を訪ねて機械などの解説を受けるディドロの執着が印象的だった。2021/08/14
やまうち
0
☆92019/09/10