出版社内容情報
クレムリンに支配されたメディアの内側から、21世紀のロシア社会とプロパガンダの実態を描く話題作。ロシア版『一九八四年』。21世紀のロシアでは、独裁さえもリアリティー・ショーである――。
ロシア系イギリス人のTVプロデューサー、ピーター・ポマランツェフ。
急成長を遂げるロシアのテレビ業界に潜入した彼は、図らずもロシアのあらゆる腐敗と遭遇する。映画監督に転身したギャング、ロシア史上最高の政治工学者、自爆テロ組織「黒い未亡人」を離れる売春婦、自殺したスーパーモデルとセクト、ロンドンに逃れ栄華を極めるオリガルヒ(新興財閥)――。
モスクワ劇場占拠事件や、ベロゾフスキーとアブラモヴィッチの裁判に立ち合い、ロシア・メディアの内側に蠢くプロパガンディストのやり口を知るポマランツェフは、プーチン独裁の先鋭化とともに、自身もまたその体制内部に引き込まれていることに気づく。
カネと権力に塗れたシュールな世界で、新たな独裁体制を築くプーチン。
クレムリンに支配されたメディアの内側から、
21世紀のロシア社会とプロパガンダの実態を描く話題作。
ロシア版『一九八四年』。
日本語版への推薦文 ティモシー・スナイダー
第1幕 ロシアのリアリティー・ショー
幕が上がる
「<ruby>固定観念にとらわれていない<rt>ノー・コンプレックス</rt></ruby>」
今どきのヒーロー
今日のロシア
『ハロー・グッバイ』
創造の高み
第2幕 クレムリン・マトリックスの裂け目
幕が上がる
もう一つのロシア
<ruby>入門儀礼<rt>イニシエーション</rt></ruby>
真夏の夜の夢
第3幕 さまざまな<ruby>精神<rt>ディリ</rt></ruby><ruby>錯乱<rt>リアム</rt></ruby>
幕が上がる
ソ連崩壊後のロシアのセクトの略史
「ザ・コール・オブ・ザ・ヴォイド」(頭の中で飛び降りちゃえと<ruby>唆<rt>そそのか</rt></ruby>
す声が聞こえる……)
オフショア
みんな嘘だし何でもありさ……(Nothing is True and Everything is
Possible)
訳者あとがき
ピーター・ポマランツェフ[ピーイーティーイーアール ピーオーエムイーアールエーエヌティーエスイーブイ]
著・文・その他
池田 年穂[イケダ トシホ]
翻訳
内容説明
21世紀のロシアでは、独裁さえもリアリティー・ショーである―。ロシア系イギリス人のTVプロデューサー、ピーター・ポマランツェフ。急成長を遂げるロシアのテレビ業界に潜入した彼は、図らずもロシアのあらゆる腐敗と遭遇する。映画監督に転身したギャング、ロシア史上最高の政治工学者、自爆テロ組織「黒い未亡人」を離れる売春婦、自殺したスーパーモデルとセクト、ロンドンに逃れ栄華を極めるオリガルヒ(新興財閥)―。モスクワ劇場占拠事件や、ベロゾフスキーとアブラモヴィッチの裁判に立ち合い、ロシア・メディアの内側に蠢くプロパガンディストのやり口を知るポマランツェフは、プーチン独裁の先鋭化とともに、自身もまたその体制内部に引き込まれていることに気づく。カネと権力に塗れたシュールな世界で、新たな独裁体制を築くプーチン。クレムリンに支配されたメディアの内側から、21世紀のロシア社会とプロパガンダの実態を描く話題作。
目次
第1幕 ロシアのリアリティー・ショー(幕が上がる;「固定観念にとらわれていない」;今どきのヒーロー ほか)
第2幕 クレムリン・マトリックスの裂け目(幕が上がる;もう一つのロシア;入門儀礼 ほか)
第3幕 さまざまな精神錯乱(幕が上がる;ソ連崩壊後のロシアのセクトの略史;「ザ・コール・オブ・ザ・ヴォイド」(頭の中で飛び降りちゃえと唆す声が聞こえる…) ほか)
著者等紹介
ポマランツェフ,ピーター[ポマランツェフ,ピーター] [Pomerantsev,Peter]
1977年ソ連のキエフでユダヤ人の家庭に生まれる。イギリスのTVプロデューサー、ジャーナリスト。ロシアをはじめとする「プロパガンダ」についてのオーソリティと目されている。1978年に、反体制派の作家であった父親イゴールの亡命に伴い、西独に出国。1980年にイギリスに渡る。エジンバラ大学を卒業後、2001年からロシアに滞在。とりわけ、2006年から10年までは、テレビ局TNTでリアリティー・ショーの制作に携わった。1ダース以上の言語に訳された『プーチンのユートピア―21世紀ロシアとプロパガンダ』で、2016年度英国王立文学協会オンダーチェ賞を受賞している
池田年穂[イケダトシホ]
1950年生まれ。慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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