内容説明
被造物における「自発性」と「神への依存性」という矛盾する二つの根本性格は、いかにして両立しうるのか。本書は、ライプニッツ哲学の「神と被造物の関係性」、「世界創造の始源」に焦点を合わせ、哲学史上の大問題を解決することを試みる。さらに、ライプニッツのモットー「真理は中間的である」に忠実に従って、議論を人間の実践の問題、すなわち自由論へと押し広げ、予定調和の世界にあっても人間は自由であるということを論証する。ライプニッツをスピノザ主義とみなす傾向にある今日の研究を全面的に反駁する、気鋭の研究者による野心作。
目次
序章 真理は中間的である―世界創造の謎
第1章 介入せずに介入する神―創造における神の働き
第2章 創世する被造物―被造物の「自発性」の根拠「Divinit´e」
第3章 来って現れる本質―創造における神と被造物の関係性
第4章 賢者は常に最善を選ぶ―自由の形式
第5章 星々は傾かせる―自由の内実
第6章 神に栄光あれ―神における根源的意志
結語 はじまりのDivinit´e―ライプニッツ形而上学の意義
著者等紹介
根無一信[ネムカズノブ]
1979年生まれ。2013年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。2011年、International doctoral school for Leibniz researchers第1回日本代表。2013年、日本哲学会若手研究者奨励賞受賞。博士(人間・環境学)。現在、名古屋外国語大学、関西国際大学、大阪教育大学、日本経済大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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