内容説明
戦時中、政府のプロパガンダを国民にわかりやすくアピールする目的で、昭和13年2月から20年7月まで発行されていた国策グラフ雑誌『写真週報』。当時掲載された350点を超える画像を紹介しつつ、そこから読みとれる当時の政策、国民の生活や意識を立体的に描き出す。上巻「戦時日本の国民生活」では、『写真週報』の創刊事情をまず詳述し、食糧や物資の徴用、労務動員など、モノから人へと広がった動員に『写真週報』が果たした役割と、国民生活の変容の実態を明らかにする。
目次
第1章 国民を動員せよ―国策グラフ誌『写真週報』の誕生
第2章 食糧増産、供出せよ―食糧事情の逼迫と食糧管理の強化
第3章 ぜいたくは敵だ―貯蓄節約の奨励
第4章 運べよ物資、耐えよ混雑―輸送力増強とその限界
第5章 産めよ増やせよ鍛えよ体―健民運動の変容
第6章 工場へ、工場へ―労務動員政策の展開
第7章 学校を動員せよ―児童学徒の報国精神
第8章 女性も戦おう―銃後の女性の勤労精神
著者等紹介
玉井清[タマイキヨシ]
慶應義塾大学法学部教授。法学博士。1959年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカド
3
戦時中の国民へのプロパガンダとして利用された国策誌『写真週報』。戦争が始まったばかりのころは国民への啓蒙は緩やかであったが、戦争が進んだ昭和18年以降は政府の銃後に対する期待は国民たちが受容できる範囲をはるかに超えていたように思われる。そのような状況について本書は実際に記載された350もの記事を画像として紹介している。さらにそこからは、戦況が悪化していても、その部分を強調せず前向きに取り組むことを意識させることに主眼が置かれており、政府も必死にこの状況を打開しようとしていたことが読み取れる。2019/08/11
takao
1
ふむ2023/07/06