出版社内容情報
日本人移民の100年の歴史をひもとき、日本食・日本料理の変遷を明らかにし、やわらかな多文化主義拓く。▼多様なものが併存しつつ、相互に影響を与えていく「やわらかな多文化主義」を、日本移民の食を通して考える。
現代のペルーには、日系社会の内側で生き続けた「日系食」、ペルー料理の新しいバリエーションとしての「ニッケイ料理」、近年新たに創作された「ニッケイ・フュージョン料理」、など日本人移民が関わり影響を及ぼした多様な食文化がある。日本人移民の100年の歴史をひもとき、日本食・日本料理の変遷を明らかにし、やわらかな多文化主義を拓く。
はじめに―― 日本料理、ペルー料理、ニッケイ・フュージョン料理
世界的な日本料理の流行 / ペルー料理の流行 / ペルーの和食
第1章 初期移住者の食生活
農場での和食 / ペルー料理の受容と飲食店経営
和食への欲求 / ペルーの生活への適応・同化
第2章 飲食業への進出と日系食
上流家庭の使用人・調理人 / 飲食業への進出
天草からのペルー移民 / リマ中心街の野中兄弟
故郷に錦を飾る / カリャオ港におけるホテル兼レストラン
日本人の職業構成 / 家庭内の和食・日系食 / 閉ざされた日系食
第3章 リマの日本料理店
初期の日本料理店 / 喜楽園 / 日本食料品の製造・販売
日本人移民の会食 /日米開戦と戦後の日系社会
ペルー日本婦人会と日本料理 / 日本企業の進出と日本料理店
日本料理の板前 / 日秘文化会館と喜楽、ナカチ
日秘文化会館とラ・ウニオン運動場の日本料理
第4章 日系二世とニッケイ料理
新しいペルー料理と日系二世 / うま味(「味の素」)とペルー
ウンベルト・サトウ / ロシータ・ジムラ
ペルー社会に見い出されたニッケイ料理
第5章 ニッケイ料理からニッケイ・フュージョン料理へ
戦後の日系社会 / ニッケイ・フュージョン料理と板前修業
ペルー料理としてのニッケイ・フュージョン料理
もうひとつのニッケイ・フュージョン料理
むすび―― やわらかな多文化主義
文献一覧
柳田 利夫[ヤナギダ トシオ]
柳田 利夫
慶應義塾大学文学部教授。
1978年、慶應義塾大学文学部助手。
1980年、慶應義塾大学大学院博士課程修了。
1997・2002年、ペルー・カトリカ大学人文学部訪問教授。
『アメリカの日系人―― 都市・社会・生活』同文舘出版、1995年。
『ハワイ移民佐藤常蔵書翰―― 近代日本人海外移民史料』慶應通信、1995年。
『リマの日系人―― ペルーにおける日系社会の多角的分析』明石書店、1997年。
『ペルー日系人の20世紀』芙蓉書房出版、1999年。
『ペルー 太平洋とアンデスの国 近代史と日系社会』中央公論新社、1999年。
『ラテンアメリカの日系人』慶應義塾大学出版会、2002年。
目次
第1章 初期移住者の食生活(農場での和食;ペルー料理の受容と飲食店経営 ほか)
第2章 飲食業への進出と日系食(上流家庭の使用人・調理人;飲食業への進出 ほか)
第3章 リマの日本料理店(初期の日本料理店;喜楽園 ほか)
第4章 日系二世とニッケイ料理(新しいペルー料理と日系二世;うま味(「味の素」)ペルー ほか)
第5章 ニッケイ料理からニッケイ・フュージョン料理へ(戦後の日系社会;ニッケイ・フュージョン料理と板前修業 ほか)
著者等紹介
柳田利夫[ヤナギダトシオ]
慶應義塾大学文学部教授。1978年、慶應義塾大学文学部助手。1980年、慶應義塾大学大学院博士課程修了。1997・2002年、ペルー・カトリカ大学人文学部訪問教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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