欲望と誤解の舞踏―フランスが熱狂した日本のアヴァンギャルド

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  • サイズ A5判/ページ数 368p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784766424102
  • NDC分類 769.1
  • Cコード C3073

出版社内容情報

戦後日本の前衛芸術「舞踏」はどのように受容され、発展したのか?

 1970年代の終わり、フランスの人々は、日本の前衛芸術「舞踏」を大きな衝撃をもって迎え入れた。大野一雄、カルロッタ池田、山海塾、室伏鴻、笠井叡、そして土方巽……多くの日本人ダンサーがフランスで〈発見〉された。本書は、舞踏がその上陸から今日まで、この地の人々を魅了しつづけている歴史を跡付けている。舞踏の伝播は、あらゆる「誤解」とともに、ここではないどこかへ、日本への欲望を引き起こしながら、コンテンポラリーダンスの領域に途方もない影響を与えたのである。 
 フランスのジャーナリズムと〈身振り〉の分析を駆使して、美学と文化史の観点から舞踏を論じることは、現代の舞踊史を読み直すことを意味する。「ジャポニスム」の歴史、ドイツ表現主義とのつながり、舞踏に関係づけられるヒロシマの記憶……舞踏をめぐるダイナミズムを明らかにし、身振りを介した日欧の歴史を亡霊のごとく浮かび上がらせる、革新的な日本文化受容論。

貴重な写真資料を多数掲載。


目次
 日本語版によせて

序論 身振りのグローバル化のなかに舞踏をよむ
  邂逅、そして創造/ねつ造の歴史をひもとく
  誤解をめぐる物語/歴史
  舞踊史の中心をずらす
  「日本ブーム」
  舞踊史と文化史の交差

  第一部 「新発見」から聖別/公認まで

第一章 瞬く間に成功した歴史
 一九七八――決定的な年
 長く続く熱狂
 ダンス分野からの聖別/公認

第二章 啞然とした批評家たち
 衝撃が新たな文体をつくりあげた
 記号が力を覆い隠してしまうとき
 揺さぶりかけてくる体験、両義的な魅力  
  
  第二部 さまざまな誤解がもたらした舞踏の再創造

第三章 多様な舞踏を「舞踏」にまとめる――単純化された美学的カテゴリー
 「舞踏」という語の曲がりくねった歴史
 舞踏という美学的カテゴリーは均質なのか?
 歴史的厚みを欠いたカテゴリー

第四章 「ヒロシマの灰の上に生まれた」……?
 ジャーナリズムに登場したステレオタイプ
 戦後芸術の一つとして
 死を匂わすものから大量死へ
 舞踏、ヒロシマを記憶する場所

第五章 異国趣味への欲望
 日本人的アイデンティティと特性?
 異国として他性を知覚する
 前衛性を遮蔽する異国趣味
  
  第三部 コンテンポラリーダンスのなかにある舞踏への欲望
 
第六章 感覚のなかの他所
 旅への欲望
 フランスで舞踏を実践する――感じる別の方法を求めて
 実践の発展
 多様な取り込みの方式
 
第七章 ひそかな欲望――再び現れた表現主義の身振り
 別の歴史を求めて
 回帰と迂回としての舞踏
 舞踏への新たな欲望
  
結論 国を越え、断続的に形成される身振りの歴史
  
  注
  解説(パトリック・ドゥヴォス)
  参考文献・資料一覧
  フランスの舞踏 年表
  索引

著者略歴
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

【著者】
シルヴィアーヌ・パジェス(Sylviane Pagès)
パリ第8大学舞踊学科准教授。パリ政治学院卒業後、パリ第8大学舞踊学科で博士号を取得。国立舞踊センターのデータベース「Artists and Works」管理担当。舞踊研究者協会(aCD)発行のWeb学術雑誌「Recherches en danse」の編集委員も務める。2009年、慶應義塾大学アート・センター、国際舞踏連絡協議会主催「国際舞踏カンファレンス」にゲストスピーカーとして招聘される。共編著に、Les Carnets Bagouet : La passe d'une œuvre (Les Solitaires Intempestifs, 2007), Mémoires et histoire en danse, Histoires de gestes (Actes Sud Edition, 2012)など。

【監訳者】
パトリック・ドゥヴォス(Patrick De Vos) 
1955年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
専門は、日本の舞台芸術、フランス演劇。1991年野間文学翻訳賞受賞。

【訳者】 
北原 まり子(きたはら まりこ)
[日本語版によせて、第1章、第2章、第6章、第7章]
1983年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(演劇映像コース)修了。現在、同大学院博士後期課程在籍中、パリ第8大学舞踊学科留学中。論文に、「《牧神の午後》(1912)以前のバレエ・リュスにおける絵画的舞台表象」(『舞踊學』2013年)、「戦前日本における『春の祭典』を踊る三つの試み」(『早稲田大学文学研究科紀要』2015年)など。

宮川 麻理子(みやがわ まりこ)
[序論、第3章、第4章、第5章、結論]
1985年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程(表象文化論コース)修了。同大学院博士課程単位取得満期退学。開智国際大学非常勤講師。論文に、「お膳の上で――大野一雄における胎児と母の表象に関する一考察」(『表象文化論研究』2013年)、「動き/身体の哲学――大野一雄における技法の革新性」(『舞踊学』2016年)など。

内容説明

1970年代の終わり、フランスの人々は、日本の前衛芸術「舞踏」を大きな衝撃をもって迎え入れた。大野一雄、カルロッタ池田、山海塾、室伏鴻、笠井叡、そして土方巽…多くの日本人ダンサーがフランスで“発見”された。本書は、舞踏がその上陸から今日まで、この地の人々を魅了しつづけている歴史を跡付けている。舞踏の伝播は、あらゆる「誤解」とともに、ここではないどこかへ、日本への欲望を引き起こしながら、コンテンポラリーダンスの領域に途方もない影響を与えたのである。フランスのジャーナリズムと“身振り”の分析を駆使して、美学と文化史の観点から舞踏を論じることは、現代の舞踊史を読み直すことを意味する。「ジャポニスム」の歴史、ドイツ表現主義とのつながり、舞踏に関係づけられるヒロシマの記憶…舞踏をめぐるダイナミズムを明らかにし、身振りを介した日欧の歴史を亡霊のごとく浮かび上がらせる、革新的な日本文化受容論。

目次

序論 身振りのグローバル化のなかに舞踏をよむ
第1部 「新発見」から聖別/公認まで(瞬く間に成功した歴史;唖然とした批評家たち)
第2部 さまざまな誤解がもたらした舞踏の再創造(多様な舞踏を「舞踏」にまとめる―単純化された美学的カテゴリー;「ヒロシマの灰の上に生まれた」…?;異国趣味への欲望)
第3部 コンテンポラリーダンスのなかにある舞踏への欲望(感覚のなかの他所;ひそかな欲望―再び現れた表現主義の身振り)
結論 国を越え、断続的に形成される身振りの歴史

著者等紹介

パジェス,シルヴィアーヌ[パジェス,シルヴィアーヌ] [Pag`es,Sylviane]
パリ第8大学舞踊学科准教授。パリ政治学院卒業後、パリ第8大学舞踊学科で博士号を取得。国立舞踊センターのデータベース「Artists and Works」管理担当。舞踊研究者協会(aCD)発行のWeb学術雑誌「Recherches en danse」の編集委員も務める。2009年、慶應義塾大学アート・センター、国際舞踊連絡協議会主催「国際舞踏カンファレンス」にゲストスピーカーとして招聘される

ドゥヴォス,パトリック[ドゥヴォス,パトリック] [De Vos,Patrick]
1955年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。専門は、日本の舞台芸術、フランス演劇。1991年野間文学翻訳賞受賞

北原まり子[キタハラマリコ]
1983年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(演劇映像コース)修了。現在、同大学院博士後期課程在籍中、パリ第8大学舞踊学科留学中

宮川麻理子[ミヤガワマリコ]
1985年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程(表象文化論コース)修了。同大学院博士課程単位取得満期退学。開智国際大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たまきら

38
舞踏は虚構だ。ほぼすべてのダンサーは自己愛のかたまりで、他人に伝えるための術を持たないことを沈黙でごまかしている。ただ同時に、誤解を恐れずに言えば、その舞いが自己愛のかたまりだからこそ日本がフィルターなしで見られる表現なのだと思う。最近はより分かりやすいダンスフォームが受けているようだけど、ヨーロッパは、特にフランスは舞踏を日本よりも支援してきた。…。その恩恵を受けてきたからこそ、ちょっと申し訳ない気持ちにもなる。2022/07/24

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