内容説明
日英関係にみる歴史の教訓。幕末から第2次大戦までの日英関係を広くグローバル・ヒストリーのなかに位置づけ、アジアを舞台として英国への依存から自立、協調と競争、対立、そして戦争へ向う近代日本の姿を克明に描き出した珠玉の論考。
目次
第1章 日英経済関係史―一六〇〇~一九四一年
第2章 トマス・B.グラバー―幕末・維新期の英国商人
第3章 日本石炭産業の発展とアジア石炭市場
第4章 東アジアにおける繊維市場―一八六〇~一九一四年
第5章 一九世紀後半期における東アジア精糖市場の構造
第6章 中国におけるスワイア商会―一八六七~一九一四年
第7章 日本糖の中国進出とスワイア商会―一九〇三~三一年
第8章 戦間期日本の綿製品輸出と貿易摩擦
補論 英国商社研究史の動向と課題
著者等紹介
杉山伸也[スギヤマシンヤ]
1972年早稲田大学政治経済学部卒業、81年ロンドン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)、同年ロンドン大学政治経済学院(LSE)専任研究員、84年慶應義塾大学経済学部助教授、91年より同教授、2014年名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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10
「1617年以降英国とオランダの敵対関係が激しくなり、平戸においても英蘭両国人の対立抗争があいついだ…英国はオランダに圧倒され、シャムなど東南アジア各地の商館や営業所も漸次閉鎖された。その結果、英国船や朱印船による貿易は減少し、平戸商館の活動は完全に孤立することになった…平戸商館の閉鎖の原因についてはセーリスあるいはコックスとアダムスとの見解の不一致、家康の死、あるいは1620年のアダムスなど主要商館員の死などさまざまな説があるが…東アジア地域における国際関係の変化と英国のプレゼンスの衰退が背景にあった」2020/02/27