意志薄弱の文学史 - 日本現代文学の起源

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意志薄弱の文学史 - 日本現代文学の起源

  • 坂口周
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  • サイズ A5判/ページ数 445,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766423662
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

近代から現代に至る文学の「視覚性」に注目し、日本に流れる「曖昧」の系譜を辿ることで、「意志」をめぐる近代の攻防をあぶりだす。日本文学史を読みかえる、俊英による革命的な文学論。



▼近代から現代に至る文学の「視覚性」に注目し、日本に脈々と流れる「曖昧」の系譜を辿ることで、

「意志」をめぐる近代の激しい攻防をあぶりだす。



▼映画や写真など、テクノロジーの革新による「視覚性」の新たな編成が要請された近代以降、

日本文学において、柄谷行人が、その端緒を「風景の発見」と述べたように、視覚性=認識、

すなわち「内面」の問題が、大きな関心事でありつづけた。

しかし、本書で探求されるのは「風景」や「近代的自我」や「主体性」ではなく、

「不安」、「夢見」、「言い間違い」、「意志薄弱」といった、「曖昧」きまわる様態である。



▼正岡子規、夏目漱石、内田百?、志賀直哉、横光利一、川端康成、大江健三郎を中心にして、

近代文学における「曖昧」の系譜を可視化し、文学史そのものを読みかえるのみならず、

日本「現代」文学の起源を突き止めてゆく、大胆不敵な一書。

 序 章 「曖昧未了」から「意志薄弱」まで



第一部



 第一章 運動する写生 ―― 正岡子規と映画の論理

  一 「起源」としての一八九六年

  二 活動写真の時代

  三 「写生」の二面性

  四 「活動」の原理

  五 「曖昧未了」の美学 ―― 余韻から運動へ

  六 写生的認識とモンタージュ

  七 夢の〈推移〉の理論へ



 第二章 催眠、あるいは脳貧血の系譜 ―― 夏目漱石から志賀直哉へ

  一 催眠術言説の成立

  二 漱石文学と催眠現象 ―― 〈夢見〉る心地

  三 「さびしさ」という方法 ―― 国木田独歩の感化

  四 志賀直哉の「さびしさ」へ

  五 悲喜劇の構造 ―― 「鳥尾の病気」論

  六 病と熱情のサロメ ―― シンボリズムとしての神経衰弱

  七 脳貧血の美学 ―― 文学による「心の自由」を求めて

  八 「風流」論へ

 

 第三章 〈気づき〉の神秘主義 ―― 内田百?と夢小説

  一 「気づく」ことのテーマ性

  二 既視のメカニズム

  三 漱石という端緒

  四 媒介項としての志賀直哉

  五 「崇高」と「美」のはざまに

  六 「ぼんやり」から「はっきり」へ ―― 「冥途」論

  七 佐藤春夫「西班牙犬の家」の夢空間

  八 照応する「城の崎にて」 ―― 夢の軌道

  九 「新感覚」の先へ



第二部



 第四章 発声映画(トーキー)の時代

 ―― 横光利一の〈四次元小説〉論

  一 昭和文学への転換 ―― 「新感覚」のパラダイム

  二 〈超‐現実〉の心理 ―― 「曖昧」の「朦朧」からの脱離

  三 トーキーの思想圏 ―― 発声という革命

  四 矛盾的同一体としてのトーキー

  五 有声を支える四次元

  六 小説の「連絡体」としての四次元

  七 偶然性と倫理 ―― プロトタイプとしての『寝園』

  八 「純粋小説」における恋愛の意味

  九 「懐疑」と「会議」

  ―― 『家族会議』における〈幸福〉への決意



 第五章 一九六三年の分脈 ―― 大江健三郎と川端康成

  一 「曖昧」から「あいまい」への受け渡し

  二 サルトルの「想像力」

  三 「空の怪物アグイー」論 ―― 空の夢、あるいは映画の空

  四 川端康成の何が「あいまい」なのか

  五 虚無を解消する方法 ―― 「片腕」論

  六 「あいまい」の行方



 終 章 「意志」をめぐる攻防



  あとがき

  文献一覧

  人名索引

坂口 周[サカグチ シュウ]
坂口 周
1977年東京都生まれ。福岡女子大学国際文理学部専任講師。
早稲田大学卒業後、2001年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2003年英国・ロンドン大学ゴールドスミス校大学院修士課程メディア&コミュニケーション専攻修了。2007年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。津田塾大学学芸学部非常勤講師、中国・広東外語外貿大学外籍教師、実践女子大学文学部助教を経て、現在に至る。「運動する写生 ―― 映画の時代の子規」で2014年第57回群像新人文学賞(講談社主催)評論部門優秀作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澄川石狩掾

2
横光利一の章の終わりで『旅愁』を批判しているが、この部分では何故か「意志鞏固」ともいうべき状態になっている。題名のように「意志薄弱」を通した方が、従来の批判を覆す面白い読みが出来たのではないか。2017/11/23

西野西狸

2
いや、とにかく読むのに骨折った。子規、漱石、志賀、横光、大江など貫通させ論じていて、まるで草迷宮に迷い込んだようである。概念言葉が多く嚙み砕くのが大変だった。2017/08/12

でこぼこ

1
?謎の本でございます。でも著者の方の仕事がみつかってよかった。一発逆転の小説家より大学の専任の安定さか・・・おめでとーございます、というよりほかはない。2016/10/01

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