出版社内容情報
これまでの戦後国際政治史の「アメリカ中心の視点」を相対化し、多極化・地域統合から地域間関係への萌芽という変化を読み解く試み。
▼戦後国際政治史を問い直す。
▼これまでの戦後国際政治史における「アメリカ中心の視点」を相対化し、冷戦期の四つの分断国家(ドイツ・中国・朝鮮半島・インドシナ)の誕生、脱植民地化以降のアジア・ヨーロッパ諸国の水平的な関係への移行、そして多極化・地域統合から地域間関係への萌芽、という変化を読み解く試み。
<b>序章 戦後国際政治史の新しい視角</b> 細谷雄一
はじめに ―― 戦後国際政治史を問い直す
?T アメリカ中心の視点を相対化する
?U 「四つの分断」 ―― ドイツ・中国・朝鮮半島・インドシナ
?V 西側世界の協調と分裂
?W 地域間関係の萌芽
<b>第?T部 冷戦・分断・脱植民地化</b>
<b>第1章 西側同盟のグローバル化 ―― ヨーロッパ冷戦からアジア冷戦へ</b>
細谷雄一
はじめに ―― 遠く離れた関係
?T ヨーロッパ冷戦と東アジア冷戦
?U グローバルな西側同盟へ
?V グローバルな戦略と西側同盟の軍事化
おわりに
<b>第2章 フランスと東アジア、1945-1951年</b>
<b>―― 「第二次世界大戦の論理」と「冷戦の論理」のはざまで</b>
宮下雄一郎
はじめに
?T フランスと「世界大戦」
?U フランスの復興をめぐる政治と日本
?V サンフランシスコ講和条約とフランス
おわりに
<b>第3章 イギリスと東アジア、1945-1948年</b>
<b>―― 英中友好通商航海条約交渉を中心に</b> 林 大輔
はじめに
?T 戦後イギリスの中国政策と極東政策の形成
―― イギリスの役割と対米関係の模索
?U 英中友好通商航海条約交渉
おわりに
<b>第?U部 戦後アジアにおけるイギリス</b>
<b>第4章 コモンウェルスの絆 ―― マクミラン首相のアジア歴訪、1958年</b>
小川浩之
はじめに
?T コモンウェルス首相会議から「小さな地域的困難」へ
?U インド ―― ネルーとの対峙
?V パキスタン ―― イスラーム共和国の困難
?W セイロン ―― 洪水被害への支援問題
?X シンガポール ―― 自治への歩み
おわりに ―― コモンウェルス歴訪からの帰国とその評価
<b>第5章 帝国の終焉と同盟の解体 ―― イギリスの脱植民地化政策とSEATO</b> 水本義彦
はじめに
?T SEATOの創設
?U マラヤ連邦の独立
?V ラオス内戦
?W マレーシアの創設とシンガポール基地問題
?X マレーシア紛争とベトナム戦争の開始
?Y 英軍のスエズ以東撤退計画
おわりに
<b>第6章 イギリスの核不拡散政策とインド、1964-1968年</b>
小林弘幸
はじめに
?T 背景 ―― 1964年10月までの核不拡散をめぐる国際環境
?U インド核武装への懸念
?V インドへの「安全保障」提供の検討
?W 「コモンウェルス核戦力」構想
?X インドの核不拡散条約参加問題と構想の終焉
おわりに
<b>第?V部 東西ドイツとアジア</b>
<b>第7章 「一つの中国」と東西ドイツ ―― 中国と西ドイツの国交正常化</b>
福田 円
はじめに
?T 「中国」と東西ドイツ
?U 東方政策と中国
?V 中国と西ドイツの国交正常化交渉
おわりに
<b>第8章 東西ドイツ関係と日本 ―― 1966-1981年</b> 鈴木 均
はじめに
?T 日・西独経済関係と、日欧貿易摩擦
?U 東独という国家と、ヴィリー・ブラント
?V すれ違う日本と西独――イランをめぐる食い違い
?W ミドル・パワー間の共同歩調の模索
―― 領土問題、ベトナム戦争と、対中・対東独関係
?X 東独との国交正常化 ―― 伸び悩む貿易と、活発な文化交流
?Y 東独首脳の訪日「ラッシュ」
おわりに
<b>第9章 似て非なる関係 ―― 南北朝鮮、東方政策、EC諸国、1969-1975年</b> 山本 健
はじめに
?T 1970年代の南北接近
?U 二つのドイツ、二つのコリア?
?V 国連と第三世界諸国
?W 大国との関係
?X EC諸国と朝鮮半島
おわりに
<b>第?W部 地域間関係の形成</b>
<b>第10章 地域間関係の制度化 ―― ECのASEAN政策、1975-1980年</b>
黒田友哉
はじめに
?T EPCとASEAN
?U EC・ASEAN関係の政府間主義化(1) ―― 大使級対話の創設
?V EC・ASEAN関係の政府間主義化(2) ―― 閣僚会議の創設
?W EC・ASEAN協力協定の成立
おわりに
<b>第11章 冷戦と日欧政治・安全保障関係</b> 鶴岡路人
はじめに
?T 日欧関係の再出発
―― 日米欧「三本柱」論とその後
?U 冷戦の危機と日欧
?V 政治と経済の狭間で
?W 冷戦終結から冷戦後へ ―― 「冷戦ファクター」再考
おわりに
あとがき
索 引
【著者紹介】
細谷 雄一
慶應義塾大学法学部教授。1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。主要著作::『外交による平和―アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、2005年)、『倫理的な戦争―トニー・ブレアの栄光と挫折』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『国際秩序―18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(中公新書、2012年)、『歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争まで』(新潮社、2015年)、ほか。
内容説明
これまでの戦後国際政治史における「アメリカ中心の視点」を相対化し、冷戦期の分断国家の誕生、脱植民地化以降のアジア・ヨーロッパ諸国の水平的な関係への移行、そして多極化・地域統合から地域間関係への萌芽という変化を読み解く試み。
目次
戦後国際政治史の新しい視角
第1部 冷戦・分断・脱植民地化(西側同盟のグローバル化―ヨーロッパ冷戦からアジア冷戦へ;フランスと東アジア、1945‐1951年―「第二次世界大戦の論理」と「冷戦の論理」のはざまで;イギリスと東アジア、1945‐1948年―英中友好通商航海条約交渉を中心に)
第2部 戦後アジアにおけるイギリス(コモンウェルスの絆―マクミラン首相のアジア歴訪、1958年;帝国の終焉と同盟の解体―イギリスの脱植民地化政策とSEATO;イギリスの核不拡散政策とインド、1964‐1968年)
第3部 東西ドイツとアジア(「一つの中国」と東西ドイツ―中国と西ドイツの国交正常化;東西ドイツ関係と日本―1966‐1981年;似て非なる関係―南北朝鮮、東方政策、EC諸国、1969‐1975年)
第4部 地域間関係の形成(地域間関係の制度化―ECのASEAN政策、1975‐1980年;冷戦と日欧政治・安全保障関係)
著者等紹介
細谷雄一[ホソヤユウイチ]
慶應義塾大学法学部教授。1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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