多文化都市・新宿の創造―ライフサイクルと生の保障

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多文化都市・新宿の創造―ライフサイクルと生の保障

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  • サイズ A5判/ページ数 404p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766422665
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C3036

出版社内容情報

「新宿」の外国人問題のフィールドワークを続けてきた著者が、都市のグローバル化の実態と経験を「ライフサイクル」の視点で描く。

▼グローバル市民はこうして生まれた

多様なルーツをもつ人々が共に暮らすとは、どういうことだろうか?
外国人を単なる「労働力」とみなす発想は、決して豊かさをもたらさない。
共に学び、共に遊び、共に働き、共に祈り、共に弔う。
それは人々の<人生を受け入れる>ことであり、<生を保障する>ことである。

「日本で最も外国人の集まる街」=「新宿」の外国人問題について長年にわたりフィールドワークを続けてきた著者が、都市のグローバル化の実態と経験を「ライフサイクル」の視点で描き出す。

まえがき

<b>序 章</b>
 1 本書の目的
 2 時代的背景と今日的意義
 3 分析視角
 (1)ライフサイクルの視座 / (2)オーラル・ヒストリーにおける多
  文化意識 / (3)多文化家族の実態とマルチエスニック・コミュニ
  ティ
 4 先行研究の考察
 (1)新宿を舞台としたトランスディシプリナリー・アプローチ /
 (2)文化人類学的アプローチ / (3)個人心理学的アプローチ
 5 調査の動機と概要
 6 本書の構成

<b>第1章 新宿の原風景と人間の誕生 ―― 妊娠と出産のエスノスケープ</b>
 問題の所在
 1 コンタクト・ゾーン
 2 「妊産婦手帳」の誕生
 3 在日韓国・朝鮮人の子どもと「母子手帳」
 4 親密圏の労働
 (1)母子家庭の性労働 / (2)新宿区婦人相談員の人生
 5 「お産の博物館」の創設
 6 異国で身ごもるとき
 (1)在留資格のない女性の妊娠と出産 / (2)無国籍児を守る
 7 トランスカルチュラル・ナーシング
 (1)新宿区の病院で出産した韓国人女性 / (2)日本語ができないイ
  ンド女性の出産 / (3)大久保地区のトンガ女性の事例
 8 人の移動と多文化間医療
 9 生きる力

<b>第2章 幼児期と学童期のアイデンティティ</b>
 問題の所在
 1 非正規滞在者の子どもたち
 (1)女性のシェルターの誕生 / (2)乳幼児と女性のホームレス
 2 文化的多様性に富んだ保育空間
 3 多文化保育のメリット
 4 異文化間リテラシーの獲得
 5 無国籍の子ども
 (1)眠らない街の夜間保育園 / (2)無国籍児 ミャンマーのチン族
  の出産 / (3)超過滞在中のミャンマーのカチン族の出産
 6 外国籍保護者に芽生える多文化意識
 7 新宿区の教育への取り組み
 8 新宿区教育センターの歴史的経緯
 9 新宿区の公立小学校の取り組み
 (1)通訳をかって出る外国籍児童 / (2)自ら判断し、生きる力を育
  む教育の実施
 10 ともに悩む新宿区外国人相談窓口
 11 一元化された住民基本台帳制度

<b>第3章 学歴格差と基礎教育の保障 ―― 不登校・不就学の子ども</b>
 問題の所在
 1 グローバル化する公立小学校
 2 いじめに直面する子ども
 3 見えない子どもの不就学
 4 民間ボランティアの取り組み
 (1)安心な居場所の創造 / (2)母親の抱える悩み
 5 「コリアNGOセンター」と関係者の取り組み
 6 教員の異動による限界
 7 受け皿となる夜間中学校
 8 マスメディアが公表した不就学の実態
 9 グローバル人材を生み出す公立夜間中学
 10 広がる学歴格差
 11 夜間中学の拡充・増設と学齢超過の子どもたち

<b>第4章 ともに遊び憩う時空の創造</b>
 問題の所在
 1 外国にルーツをもつ人びととアートで遊ぶ
 2 遊びがとりもつ縁
 3 庇護申請者のナラティブ
 4 収容所の「憩う」時空への渇望
 (1)収容所の日々から大学院で学ぶ / (2)アフガニスタンから来た
  難民
 5 難民受け入れの経緯
 (1)インドシナ難民の受け入れ / (2)第三国定住の受入れ
 6 東日本入国管理センターでのオーラル・ヒストリー
 7 ネパール人の遊びの空間と学校の創造
 8 フランス人の集住する箪笥町
 9 遊び憩う時空の共有とコミュニティの形成

<b>第5章 キャリア形成と自己実現</b>
 問題の所在
 1 資格外活動許可の可能性
 2 就学と就労を結ぶ日本語学校
 (1)留学生のアルバイト先の多国籍な情景 / (2)情報の共有とグ
  ローバル化
 3 専門学校の情報発信
 (1)留学生が集う日本電子専門学校 / (2)手に職をもつ「東京すし
  アカデミー」の独創性
 4 留学生を支援する世話好きの地域住民
 5 留学生の就職支援
 6 難民理解への道
 7 難民のオーラル・ヒストリー
 8 就労と独立の位相、そして「市民権」

<b>第6章 社会参加と多文化型まちづくり</b>
 問題の所在
 1 出入国管理及び難民認定法の誕生
 2 在日コリアン一世の起業と錦衣還郷
 3 新宿区役所と指紋押捺拒否
 4 家庭内のディアスポラ接触
 5 韓国人ニューカマーの動向
 6 韓国人留学生の増加
 7 90年代の混乱期
 8 韓国人ニューカマー経営者と「韓人会」
 (1)エスニック・コミュニティの形成 / (2)「韓国広場」という商
  標 / (3)多文化共生の駅とプラットホーム
 9 多文化都市としての意識改革と成熟期への道程
 10 新宿区多文化共生まちづくり会議と区政参加
 11 外国人と日本人という二項対立からの脱却
 (1)120を超える多様な国籍、約9割がアジアから /
 (2)インターカルチュラル・シティ構想 /
 (3)多文化型まちづくり

<b>第7章 人生の統合と加齢の価値 ―― ジェロントロジーと幸福な老い</b>
 問題の所在
 1 外国籍高齢者の増加と異文化間介護
 2 無償から有償への介護のパラダイム転換
 (1)特定の女性の無償の仕事=介護 / (2)介護保険制度とケア・
  ワーカーの出現
 3 異文化間介護と加齢の価値
 4 在日コリアンの高齢化と在日一世の無年金
 5 新宿区の外国籍高齢者のオーラル・ヒストリー
 (1)100歳を迎えた外国系高齢者 / (2)在日コリアンの日常生活
 6 新宿の外国籍介護ヘルパーの在宅介護
 (1)家庭内介護の外国籍介護ヘルパー / (2)独居高齢者を介護する
  韓国籍介護士
 7 多文化型老人ホーム
 8 介護とライフサイクルの視座
 9 多文化都市の理念と幸福な老い

<b>第8章 ともに祈り弔う ―― 誰をも見捨てない街</b>
 問題の所在
 1 信教の自由
 2 刑務所の読書の恵みと祈り
 3 受刑者の望郷の念と家族との紐帯
 4 誰をも見捨てない街
 5 ともに祈る街
 (1)ビルマ人内部での宗教的多様性 / (2)宗教法人東京恩恵教会
 6 ボランティア家族のライフワーク
 7 在日ムスリムの埋葬とイスラーム霊園
 8 キリスト教会の多様性
 (1)韓国系教会 / (2)大久保地区のキリスト教会の歴史 /
 (3)ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会の歴史 /
 (4)日本福音ルーテル東京教会の歴史
 9 多文化都市の多機能性

<b>第9章 多文化都市のルーツと多文化博物館</b>
 1 日本の国籍法の誕生とライフヒストリー
 (1)国籍法の誕生 / (2)クーデンホーフ・カレルギー光子の半生
 2 国際結婚の伝承とファミリーライフサイクル
 3 日本文化に寄り添う国際結婚と文化創造
 (1)ラフカディオ・ハーンの国際結婚 / (2)入夫と日本人タルノ分
  限 / (3)文化創造を語り継ぐ「小泉八雲記念公園」
 4 「新宿中村屋」の国際結婚
 (1)インド独立運動と近代日本のアジア主義 / (2)日本への脱出と
  「中村屋サロン」 /(3)帰化人差別への対抗
 5 明治期の留学生の受け入れ
 6 梅屋庄吉と孫文
 7 移民の世代間サイクル
 8 多文化博物館の創造

<b>終 章</b>
 1 ライフサイクルの視座
 (1)社会の分断を防ぐライフサイクルの視点 / (2)多文化共生能力
  と教育実践 / (3)ライフサイクルを主軸におく方法論の有効性
 2 多文化都市の定義
 (1)多文化都市の条件 / (2)家族・市民団体・地域コミュニティの
  歴史
 3 多文化都市のライフサイクルとグローバル市民の誕生
 (1)実質的市民権と自治体の多文化共生施策 / (2)難民の包摂シ
  ティズンシップの新しい視座 / (3)夜間中学の増設と拡充 /
 (4)外国系子どもの不就学・不登校の実態 / (5)教育をめぐる差別
  の根源
 4 提言:親密圏と公共圏をつなぐもの
 (1)移民政策の専門機関の創設 / (2)「多文化博物館」の創設 /
 (3)多文化共生専門職の養成と資格付与システム /
 (4)親密圏と公共圏をつなぐもの

 謝辞
 参考文献
 資料 多文化都市・新宿の歴史年表
 索引

【著者紹介】
川村 千鶴子
大東文化大学環境創造学部教授、博士(学術)Ph.D.(総合研究大学院大学)
慶應義塾大学商学部卒業、多文化教育研究所所長、大東文化大学環境創造学部助教授を経て現職(2013~15年、同学部長)。日本島嶼学会理事、日本オーラル・ヒストリー学会理事、移民政策学会理事などを歴任。
専門は、人の移動の人類学、多文化社会論、移民政策
主な著書に、『多民族共生の街・新宿の底力』(編著、明石書店、1998年)、『創造する対話力 ―― 多文化共生社会の航海術』(税務経理協会、2001年)、『異文化間介護と多文化共生 ―― 誰が介護を担うのか』(編著、明石書店、2007年)、『「移民国家日本」と多文化共生論』(編著、明石書店、2008年)、『移民政策へのアプローチ ―― ライフサイクルと多文化共生』(編著、明石書店、2009年)、『移動する人々と日本社会』(編著、ナカニシヤ出版、2013年)、『多文化社会の教育課題 ―― 学びの多様性と学習権の保障』(編著、明石書店、2014年)ほか多数。

内容説明

グローバル市民はこうして生まれた。多様なルーツをもつ人々が共に暮らすとは、どういうことだろうか?外国人を単なる「労働力」とみなす発想は、決して豊かさをもたらさない。共に学び、共に遊び、共に働き、共に祈り、共に弔う。それは人々の“人生を受け入れる”ことであり、“生を保障する”ことである。

目次

第1章 新宿の原風景と人間の誕生―妊娠と出産のエスノスケープ
第2章 幼児期と学童期のアイデンティティ
第3章 学歴格差と基礎教育の保障―不登校・不就学の子ども
第4章 ともに遊び憩う時空の創造
第5章 キャリア形成と自己実現
第6章 社会参加と多文化型まちづくり
第7章 人生の統合と加齢の価値―ジェロントロジーと幸福な老い
第8章 ともに祈り弔う―誰をも見捨てない街
第9章 多文化都市のルーツと多文化博物館

著者等紹介

川村千鶴子[カワムラチズコ]
大東文化大学環境創造学部教授、博士(学術)。Ph.D.(総合研究大学院大学)。慶應義塾大学商学部卒業、多文化教育研究所所長、大東文化大学環境創造学部准教授を経て現職(2013~15年、同学部長)。日本島嶼学会理事、日本オーラル・ヒストリー学会理事、移民政策学会理事などを歴任。専門は、人の移動の人類学、多文化社会論、移民政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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しゅんどーん

1
出入国管理政策の反応は、新宿を見れば分かる。日本における異文化交流の先駆的存在となってきた新宿の歴史は、明治始め、孫文や小泉八雲ら留学生・知識人らの存在と、彼らを支援してきた住民の温かなまなざしから始まる。「世界が小さくなる」時代を生きる私たちに、新宿の姿が進むべき道を示してくれる。2019/12/23

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