出版社内容情報
被爆者とは誰か。被爆者は何を待つのか。なぜ待てないのか。『原爆の記憶』の著者が放つ渾身の力作!
被爆者とは誰か。
被爆者は何を待つのか。
なぜ待てないのか。
広島・長崎の惨禍を知る
日本は、なぜ
福島第一原発事故を
引き起こしたのか。
『原爆の記憶』の著者が放つ
渾身の力作!
プロローグ
<b>序 章 被爆の記憶、被曝の記憶 ―― ヒロシマ、ナガサキからフクシマ</b>
<b>へ</b>
原爆の衝撃
原爆をめぐる光景
戦争被害者意識と創られた「唯一の被爆国」神話
原爆報道 ―― 原爆被害の矮小化
放射線障害と「<ruby><rb>後</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>れ</rb><rt>ロ</rt></ruby><ruby><rb>て</rb><rt>ー</rt></ruby><ruby><rb>く</rb><rt>・</rt></ruby><ruby><rb>る</rb><rt>デ</rt></ruby><ruby><rb>死</rb><rt>ス</rt></ruby>」
ヒロシマ、ナガサキからフクシマへ
<b>第1章 核戦争の恐怖 ―― 戦争を忌避する平和意識</b>
焼夷弾爆撃から原爆投下へ
第二次大戦の終結 ―― 原子力の国際管理
「東西冷戦」の幕開け
反核平和運動の萌芽
被爆者運動の胎動 ―― 「原子爆弾の廃棄」を求めて
平和運動の理念 ―― 「ストックホルム・アピール」
戦争を忌避する平和意識
<b>第2章 核兵器開発競争の幕開け ―― 核(兵器)開発から原子力開発へ</b>
核の国際管理 ―― 「アチソン=リリエンソール報告」
米ソ二超大国の相互不信
ソ連版「マンハッタン計画」
「東西冷戦」の激化 ―― 「垂直的」な核拡散
核(兵器)開発から原子力開発へ
<b>第3章 原水爆禁止運動の挫折 ―― 政治参加への包摂は可能か</b>
原爆の非人道性
核実験と<ruby><rb>放</rb><rt>フ</rt></ruby><ruby><rb>射</rb><rt>ォー</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ル</rt></ruby><ruby><rb>降</rb><rt>ア</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>ウ</rt></ruby><ruby><rb>物</rb><rt>ト</rt></ruby>
水爆実験「キャッスル作戦」の「死の灰」
「原子マグロ」と日米の政治決着
原水爆禁止署名運動
政治参加への包摂は可能か
<b>第4章 「平和のための原子力」外交 ―― 放射線被曝の<ruby><rb>危</rb><rt>リ</rt></ruby><ruby><rb>険</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ク</rt></ruby></b>
国家安全保障をめぐる論争
「原子力の平和利用」 ―― 「水平的」な核拡散
「平和のための原子力」推進キャンペーン――「原子力安全」神話の創
出
一九五七年の「死の灰」 ―― 核実験、原子炉事故、原発事故
放射線被曝の<ruby><rb>危</rb><rt>リ</rt></ruby><ruby><rb>険</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ク</rt></ruby>
<b>第5章 被爆者の「声にならない声」 ―― 未来を創る歴史の記憶</b>
原爆体験と被爆の記憶
被爆者の孤独と沈黙
アメリカ軍間接占領統治下の永井隆
朝鮮戦争下の峠三吉
ことばの力 ―― 「無韻の沈黙」とことばの堆積
未来を創る歴史の記憶 ―― <日本>を相対化する視点
<b>第6章 国際原子力機関(IAEA)の限界 ―― 核軍拡競争はなぜ抑止でき</b>
<b>なかったのか</b>
核軍拡競争の<ruby><rb>装置</rb><rt>メカニズム</rt></ruby>
核戦争の危険 ―― キューバ・ミサイル危機
米英ソ部分的核実験禁止条約(PTBT)
―― 「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する
条約」締結とその後
核拡散防止条約(NPT)の死文化
核軍拡競争はなぜ抑止できなかったのか ―― 戦略兵器制限条約(SALT)の空洞化
<b>第7章 核戦略のなかの日本 ―― 核(武装)オプション</b>
第三世界の反核感情
「核の冬」 ―― 核の脅威から核の<ruby><rb>凍結</rb><rt>フリーズ</rt></ruby>へ
「スター・ウォーズ」計画 ―― 国防力増強計画という名の戦略防衛構
想
核(武装)オプション ―― 日本の国是「非核三原則」の空洞化
<b>第8章 核兵器の非人道性 ―― 未来への責任</b>
核と対決する人間の条件
国連における「核兵器の非人道性」をめぐる攻防
核不拡散から核兵器禁止へ
未来への責任 ―― 「核のゴミ」処理問題
<b>第9章 放射能汚染国への反転 ―― 日本の原発輸出外交</b>
福島第一原発事故はなぜ起きたのか
ドイツ、スイスの脱原発 ―― 原発から再エネ・省エネへのエネルギー
政策転換
「被曝者」という十字架
原発再稼動問題 ―― 日本のエネルギー基本政策
「福島」の記憶
日本の原発輸出外交 ―― 日米共同の原子力プラント輸出計画
<b>終 章 ヒバクシャはなぜ待てないか ―― 「国家安全保障」から「人間</b>
<b>の安全保障」へ</b>
被爆者とは誰か
被爆者は何を待つのか
被爆者はなぜ待てないか
「唯一の被爆国」はなぜ「放射能汚染国」になったのか
原爆体験の思想化――積分(Σシグマ)の論理を再構築する
「国家安全保障」から「人間の安全保障」へ
エピローグ
あとがき
註
参考文献
核 / 原子力をめぐる略年譜
索引
【著者紹介】
奥田 博子
関東学院大学人間環境学部准教授
米国ノースウエスタン大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了。著書に <i>The Dispute over the Diaoyu / Senkaku Islands</i> (T.A. Hollihan, Ed., Palgrave Macmillan, 2015)、『沖縄の記憶』(慶應義塾大学出版会、2012)、『原爆の記憶』(慶應義塾大学出版会、 2010)。論文に “Japanese Prime Minister Koizumi’s Call for International Cooperation” ( <i>Journal of International and Intercultural Communication</i>, 2.3, 2009), “Murayama’s Political Challenge to Japan’s Public Apology” ( <i>International and I…
内容説明
被爆者とは誰か。被爆者は何を待つのか。なぜ待てないのか。広島・長崎の惨禍を知る日本は、なぜ福島第一原発事故を引き起こしたのか。『原爆の記憶』の著者が放つ渾身の力作!
目次
序章 被爆の記憶、被曝の記憶―ヒロシマ、ナガサキからフクシマへ
第1章 核戦争の恐怖―戦争を忌避する平和意識
第2章 核兵器開発競争の幕開け―核(兵器)開発から原子力開発へ
第3章 原水爆禁止運動の挫折―政治参加への包摂は可能か
第4章 「平和のための原子力」外交―放射線被曝の危険性
第5章 被爆者の「声にならない声」―未来を創る歴史の記憶
第6章 国際原子力機関(IAEA)の限界―核軍拡競争はなぜ抑止できなかったのか
第7章 核戦略のなかの日本―核(武装)オプション
第8章 核兵器の非人道性―未来への責任
第9章 放射能汚染国への反転―日本の原発輸出外交
終章 ヒバクシャはなぜ待てないのか―「国家安全保障」から「人間の安全保障」へ
著者等紹介
奥田博子[オクダヒロコ]
関東学院大学人間環境学部准教授。米国ノースウエスタン大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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