被爆者はなぜ待てないか―核/原子力の戦後史

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被爆者はなぜ待てないか―核/原子力の戦後史

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  • サイズ B6判/ページ数 362,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766422337
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C3036

出版社内容情報

被爆者とは誰か。被爆者は何を待つのか。なぜ待てないのか。『原爆の記憶』の著者が放つ渾身の力作!

被爆者とは誰か。
被爆者は何を待つのか。
なぜ待てないのか。

広島・長崎の惨禍を知る
日本は、なぜ
福島第一原発事故を
引き起こしたのか。

『原爆の記憶』の著者が放つ
渾身の力作!

プロローグ


<b>序 章 被爆の記憶、被曝の記憶 ―― ヒロシマ、ナガサキからフクシマ</b>
    <b>へ</b>
 原爆の衝撃
 原爆をめぐる光景
 戦争被害者意識と創られた「唯一の被爆国」神話
 原爆報道 ―― 原爆被害の矮小化
 放射線障害と「<ruby><rb>後</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>れ</rb><rt>ロ</rt></ruby><ruby><rb>て</rb><rt>ー</rt></ruby><ruby><rb>く</rb><rt>・</rt></ruby><ruby><rb>る</rb><rt>デ</rt></ruby><ruby><rb>死</rb><rt>ス</rt></ruby>」
 ヒロシマ、ナガサキからフクシマへ

<b>第1章 核戦争の恐怖 ―― 戦争を忌避する平和意識</b>
 焼夷弾爆撃から原爆投下へ
 第二次大戦の終結 ―― 原子力の国際管理
 「東西冷戦」の幕開け
 反核平和運動の萌芽
 被爆者運動の胎動 ―― 「原子爆弾の廃棄」を求めて
 平和運動の理念 ―― 「ストックホルム・アピール」
 戦争を忌避する平和意識

<b>第2章 核兵器開発競争の幕開け ―― 核(兵器)開発から原子力開発へ</b>
 核の国際管理 ―― 「アチソン=リリエンソール報告」
 米ソ二超大国の相互不信
 ソ連版「マンハッタン計画」
 「東西冷戦」の激化 ―― 「垂直的」な核拡散
 核(兵器)開発から原子力開発へ

<b>第3章 原水爆禁止運動の挫折 ―― 政治参加への包摂は可能か</b>
 原爆の非人道性
 核実験と<ruby><rb>放</rb><rt>フ</rt></ruby><ruby><rb>射</rb><rt>ォー</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ル</rt></ruby><ruby><rb>降</rb><rt>ア</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>ウ</rt></ruby><ruby><rb>物</rb><rt>ト</rt></ruby>
 水爆実験「キャッスル作戦」の「死の灰」
 「原子マグロ」と日米の政治決着
 原水爆禁止署名運動
 政治参加への包摂は可能か

<b>第4章 「平和のための原子力」外交 ―― 放射線被曝の<ruby><rb>危</rb><rt>リ</rt></ruby><ruby><rb>険</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ク</rt></ruby></b>
 国家安全保障をめぐる論争
 「原子力の平和利用」 ―― 「水平的」な核拡散
 「平和のための原子力」推進キャンペーン――「原子力安全」神話の創
 出
 一九五七年の「死の灰」 ―― 核実験、原子炉事故、原発事故
 放射線被曝の<ruby><rb>危</rb><rt>リ</rt></ruby><ruby><rb>険</rb><rt>ス</rt></ruby><ruby><rb>性</rb><rt>ク</rt></ruby>

<b>第5章 被爆者の「声にならない声」 ―― 未来を創る歴史の記憶</b>
 原爆体験と被爆の記憶
 被爆者の孤独と沈黙
 アメリカ軍間接占領統治下の永井隆
 朝鮮戦争下の峠三吉
 ことばの力 ―― 「無韻の沈黙」とことばの堆積
 未来を創る歴史の記憶 ―― <日本>を相対化する視点

<b>第6章 国際原子力機関(IAEA)の限界 ―― 核軍拡競争はなぜ抑止でき</b>
    <b>なかったのか</b>
 核軍拡競争の<ruby><rb>装置</rb><rt>メカニズム</rt></ruby>
 核戦争の危険 ―― キューバ・ミサイル危機
 米英ソ部分的核実験禁止条約(PTBT)
  ―― 「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する
     条約」締結とその後
 核拡散防止条約(NPT)の死文化
 核軍拡競争はなぜ抑止できなかったのか ―― 戦略兵器制限条約(SALT)の空洞化

<b>第7章 核戦略のなかの日本 ―― 核(武装)オプション</b>
 第三世界の反核感情
 「核の冬」 ―― 核の脅威から核の<ruby><rb>凍結</rb><rt>フリーズ</rt></ruby>へ
 「スター・ウォーズ」計画 ―― 国防力増強計画という名の戦略防衛構
 想
 核(武装)オプション ―― 日本の国是「非核三原則」の空洞化

<b>第8章 核兵器の非人道性 ―― 未来への責任</b>
 核と対決する人間の条件
 国連における「核兵器の非人道性」をめぐる攻防
 核不拡散から核兵器禁止へ
 未来への責任 ―― 「核のゴミ」処理問題

<b>第9章 放射能汚染国への反転 ―― 日本の原発輸出外交</b>
 福島第一原発事故はなぜ起きたのか
 ドイツ、スイスの脱原発 ―― 原発から再エネ・省エネへのエネルギー
 政策転換
 「被曝者」という十字架
 原発再稼動問題 ―― 日本のエネルギー基本政策
 「福島」の記憶
 日本の原発輸出外交 ―― 日米共同の原子力プラント輸出計画

<b>終 章 ヒバクシャはなぜ待てないか ―― 「国家安全保障」から「人間</b>
    <b>の安全保障」へ</b>
 被爆者とは誰か
 被爆者は何を待つのか
 被爆者はなぜ待てないか
 「唯一の被爆国」はなぜ「放射能汚染国」になったのか
 原爆体験の思想化――積分(Σシグマ)の論理を再構築する
 「国家安全保障」から「人間の安全保障」へ

 エピローグ

 あとがき
 註
 参考文献
 核 / 原子力をめぐる略年譜
 索引

【著者紹介】
奥田 博子
関東学院大学人間環境学部准教授
米国ノースウエスタン大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了。著書に <i>The Dispute over the Diaoyu / Senkaku Islands</i> (T.A. Hollihan, Ed., Palgrave Macmillan, 2015)、『沖縄の記憶』(慶應義塾大学出版会、2012)、『原爆の記憶』(慶應義塾大学出版会、 2010)。論文に “Japanese Prime Minister Koizumi’s Call for International Cooperation” ( <i>Journal of International and Intercultural Communication</i>, 2.3, 2009), “Murayama’s Political Challenge to Japan’s Public Apology” ( <i>International and I…

内容説明

被爆者とは誰か。被爆者は何を待つのか。なぜ待てないのか。広島・長崎の惨禍を知る日本は、なぜ福島第一原発事故を引き起こしたのか。『原爆の記憶』の著者が放つ渾身の力作!

目次

序章 被爆の記憶、被曝の記憶―ヒロシマ、ナガサキからフクシマへ
第1章 核戦争の恐怖―戦争を忌避する平和意識
第2章 核兵器開発競争の幕開け―核(兵器)開発から原子力開発へ
第3章 原水爆禁止運動の挫折―政治参加への包摂は可能か
第4章 「平和のための原子力」外交―放射線被曝の危険性
第5章 被爆者の「声にならない声」―未来を創る歴史の記憶
第6章 国際原子力機関(IAEA)の限界―核軍拡競争はなぜ抑止できなかったのか
第7章 核戦略のなかの日本―核(武装)オプション
第8章 核兵器の非人道性―未来への責任
第9章 放射能汚染国への反転―日本の原発輸出外交
終章 ヒバクシャはなぜ待てないのか―「国家安全保障」から「人間の安全保障」へ

著者等紹介

奥田博子[オクダヒロコ]
関東学院大学人間環境学部准教授。米国ノースウエスタン大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coolflat

17
米国の核政策は東西冷戦の中で、自由主義諸国の結束と反共政策との表裏一体の関係にあった。米国は原子力の平和利用という大義名分の下、自陣に取り込むため、核燃料と原子力技術を供与する原発輸出ビジネスを推進する。日本は「唯一の被爆国」という御旗の下、原子力の平和利用(=核の水平拡散)に加担する。加えて「唯一の被爆国」という立場を利用し、再処理(=プルトニウムの保有)という特権をも手に入れた。核武装を最も恐れられているのは、北朝鮮でもイランでもない。日本だ。IAEAの最大査察対象国=日本というのがそれを証明している2016/07/30

Mealla0v0

0
核問題を軍事・平和の利用とに分断せずに被爆者の視点からこれを論ずること、それが本書の骨子である。著者は繰り返し、被爆体験がナショナル化された「唯一の被爆国」というポジショナリティが領有する言説の解体を主張するが、それは敗戦の否認を超えて主権独立の議論に連結することになる主張でもある。また、被爆者につき纏うスローデスの問題や、戦争のモニュメントをめぐる記憶/忘却のポリティクスを指摘する。流麗な文体だが、切り口が鋭い。2017/07/03

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