入門講義 キリスト教と政治

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入門講義 キリスト教と政治

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784766421835
  • NDC分類 311.23
  • Cコード C0014

出版社内容情報

キリスト教は、現代まで、どのように現実の政治や社会をとらえ、政治からその教義や教会という制度の変容を迫られたのか、解説する。

▼権力との関係から見えてくる〈キリスト教精神史〉。

▼古代から中世、宗教改革の時代をへて現代へ。
キリスト教は、どのように世俗の権力(国家)から影響を受け、どのように影響を与えてきたのか?
「共同性」「終末意識」などをキーワードに語りおろした、キリスト教思想史の入門書。

第1部 政治思想テクストとしての旧・新約聖書
<b>第1章 旧約聖書における「共同性」</b>
 一 共同性というメッセージ / 二 旧約聖書における「啓示」 /
 三 聖書の王制批判 / 四 「契約」が律するもの

<b>第2章 新約聖書における「終末意識」</b>
 一 現世と相対化する「終末意識」 / 二 イスラエルの民におけるメ
 シア / 三 イエスの言動の政治思想的意味 / 四 初代教会の成立と
 使徒パウロ / 五 終末論的日常性を生きる思想

 第2部 古代地中海世界と教会
<b>第3章 エウセビオス</b>
 一 宗教共同体としてのキリスト教会 / 二 アレクサンドリア学派と
 「霊肉二元論」 / 三 ニケーア公会議と三位一体論争 / 四 三位一
 体とキリスト教神学 / 五 エウセビオスによる帝政の正当化 /
 六 エウセビオス批判と歴史理解

<b>第4章 アウグスティヌス</b>
 一 その生涯 / 二 教会を確立する教父 / 三 時間の客観主義 /
 四 政治思想のメタ理論――歴史哲学 / 五 罪の矯正装置としての
 政治 / 六 政治共同体と終末を目指す信仰共同体

 第3部 中世教会史と政治
<b>第5章 キリスト教帝国としての中世西欧世界</b>
 一 教皇ゲラシウス一世の書簡 / 二 ゲラシウス理論の意義 /
 三 フランク王国の台頭 / 四 「西ローマ帝国の再生」とその意味 /
 五 中世皇帝権の確立とその問題 / 六 帝国教会政策の意義と問題

<b>第6章 グレゴリウス改革</b>
 一 問題設定と戦術 / 二 叙任権闘争のはじまり /
 三 叙任権闘争の終結 ―― ヴォルムス協約とシャルトル学派の貢献 /
 四 叙任権闘争の内実 / 五 教会と国家の区別 /
 六 世俗権力への介入の正当化 / 七 封建制度の再整備へ /
 八 「霊の自由」と「教会の自由」

<b>第7章 中世盛期</b>
 一 「ポスト・グレゴリウス改革期」における一二世紀ルネサンス /
 二 フライジングのオットーとシトー派修道会の政治思想 /
 三 オットーの両剣論 / 四 オットーの歴史観 /
 五 「中世の夏」と思想の課題 / 六 トマス・アクィナスの思想、
 その概観 / 七 トマスの人間観と共同体観 / 八 二つの支配服
 従関係 / 九 トマスの国家観 / 一〇 トマスの政治思想をどう評
 価するか

<b>第8章 中世後期</b>
 一 フィリップ四世 対 ボニファティウス八世 / 二 ナショナルなる
 ものの台頭 / 三 アヴィニョン期の教皇と政治 / 四 パドゥアのマ
 ルシリウス / 五 中世の政治思想、その総括

 第4部 宗教改革と「終末意識」の再生
<b>第9章  ルター</b>
 一 ドイツの人文主義者とルターの登場 / 二 僧院のルターと『九
 五カ条の意見書』 / 三 福音主義=信仰義認説+聖書主義 /
 四 「宗教の非政治化」と「政治の非宗教化」 /五 ルターの思想と
 家父長主義 / 六 律法と福音 / 七 ルターの教会観

<b>第10章 カルヴァン</b>
 一 古典研究から「突然の回心」へ / 二 初期福音主義神学の問題 /
 三 「聖化」から「義認」へ / 四 「福音」から「律法」へ /
 五 自律的なプロテスタント教会の形成へ / 六 ユグノー戦争の思想
 的背景 / 七 「主権」への希求 / 八 宗教改革期における「終末意
 識」復興とその政治思想的帰結

 第5部 近現代の教会と国家
<b>第11章 プロテスタンティズムと敬虔主義</b>
 一 教派の「棲み分け」と教理の体系化 /
 二 ドイツ・プロテスタンティズムの歩みと敬虔主義 /
 三 シュライエルマッハーと「絶対依存の感情」 /
 四 カント哲学とキリスト教

<b>第12章 現代ドイツにおける神学と政治</b>
 一 ナチスに抵抗する神学者、カール・バルト / 二 「総力戦」と
 教会への批判 / 三 「バルメン宣言」 ―― ナチス・ドイツへの不
 服従 / 四 「キリスト論的集中」と後期バルト / 五 「終末意識」
 の再構築 / 六 「赤い神学者」と戦後世代

<b>第13章 近代アングロ・サクソン世界と宗教共同体</b>
 一 英国国教会の成立 / 二 ピューリタニズムとイングランドの政治
 思想 / 三 アメリカの政治文化における「離脱への傾向性」 /
 四 「道徳的共同体」としてのアメリカン・コミュニティ

<b>第14章 現代アメリカ政治とキリスト教の新潮流</b>
 一 ニーバーとモラリズムの相対化 / 二 罪をめぐる相対的視点 /
 三 ニーバーとベトナム戦争 / 四 アメリカ福音派と終末意識 /
 五 福音派の政治的目覚め / 六 宗教と政治的メッセージ ――
 むすびにかえて

 主要参考文献
 あとがき
 索 引

【著者紹介】
田上 雅徳
慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。専門分野:西欧政治思想史。
著書:『初期カルヴァンの政治思想』(新教出版社、1999年)、『ヨーロッパにおける政治思想史と精神史の交叉』(共著、慶應義塾大学出版会、2008年)、『紛争と和解の政治学』(共著、ナカニシヤ出版、2013年)、『岩波講座政治哲学1 主権と自由』(共著、岩波書店、2014年)、ほか。

内容説明

権力との関係から見えてくる“キリスト教精神史”。古代から中世、宗教改革の時代をへて現代へ。宗教は、どのように世俗の権力から影響を受け、どのように影響を与えてきたのか?「共同性」「終末意識」などをキーワードに語りおろした、思想史の入門書。

目次

第1部 政治思想テクストとしての旧・新約聖書(旧約聖書における「共同性」;新約聖書における「終末意識」)
第2部 古代地中海世界と教会(エウセビオス;アウグスティヌス)
第3部 中世教会史と政治(キリスト教帝国としての中世西欧世界;グレゴリウス改革;中世盛期;中世後期)
第4部 宗教改革と「終末意識」の再生(ルター;カルヴァン)
第5部 近現代の教会と国家(プロテスタンティズムと敬虔主義;現代ドイツにおける神学と政治;近代アングロ・サクソン世界と宗教共同体;現代アメリカ政治とキリスト教の新潮流)

著者等紹介

田上雅徳[タノウエマサナル]
慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。専門分野は西欧政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

16
大学での講義もの。冒頭で、旧約聖書における「共同性」と新約聖書における「終末意識」の説明から入り、古代地中海世界と教会〜中世教会史と政治〜宗教改革と「終末意識」の再生を経て、近現代の教会と国家の関係へと議論が展開されていく。教皇と皇帝の関係や、世俗政治と教会とのせめぎあいも大変興味深い。コンパクトに纏まっていて、欧米の政治思想とキリスト教思想の関係を歴史的な流れで概観できる意味では有用な一冊。◇そもそもこのテーマは相当に奥が深い。迂闊に深入りすると読むべき本が増えるのが明らかなので怖い。?2018/07/21

馬咲

3
旧約/新約聖書から読み取れる「共同性」と「終末意識」をカギとし、各時代の思潮ごとの両者の比重と意味合いの変化に着目する視座から、古代から現代まで二千年程の西洋政治とキリスト教の相互作用の歴史を概観する。こうして否応なく政治と宗教が連関してきた歴史の見取り図を示されると、自身の宗教に対する鈍感さや、「政教分離」という言葉を、その内実をろくに問わず安易に使っていたことに気づかされ、反省させられる。割愛された内容は多いと思われるが、それでもキリスト教史に疎い私には様々な示唆に富む一冊だった。2023/07/17

左手爆弾

2
「こんな本が欲しかった」というような本ではある。神からの啓示を分かち合う人間集団の重視における「共同性」と、神の国が到来するまでの歴史に現世を位置づけるという意味での「終末意識」、この両者がキリスト教と政治の関係を考える上で重要になる。古代から近代までの歴史の中でどのような論争によって聖俗の関係が自己定義を繰り返してきたかが論じられる。入門講義だが範囲は広く、扱われる密度も濃い。2016/06/14

ざっきい

1
題名そのまま知りたく読んだ本。題名に違わず適度な入門書になっており、コンスタンティヌス帝からアウグスティヌス、カール大帝、グレゴリウス7世とハインリヒ4世、トマス・アクィナス、ルターやカルヴァンと政治と宗教思想の関係がよくわかる。宗教思想の解説に頁を割いている点が特徴的で、著者は「終末思想」に着目している。近代と現代も扱っている所も良いが、ほとんど西欧に関する記述で東欧やアジアとの関連は全く出てこないのは少し残念。2017/02/21

check mate

0
「共同性」と「終末意識」を軸としてキリスト教と政治の二千年を追跡する。あとがきで紹介されている有賀弘先生の言葉がなかなか印象的。2015/06/15

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