カフカらしくないカフカ

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766421507
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

フェリスと出会ってなぜ書けたのか。あの恋は本当に恋だったのか。スリリングな展開でカタルシスに導く、強いカフカ!

フェリスと出会ってなぜ書けたのか。あの恋は本当に恋だったのか。
『判決』の、『変身』の秘密は、彼らの〈恋〉にある。
スリリングな展開でカタルシスに導く、強いカフカ!

 1912年9月20日、カフカはフェリスに最初の手紙を送る。2日後、一晩で一気に『判決』を書く。数日後、長編『失踪者』に取りかかる。約1ヶ月半で第6章まで書き進む。11月下旬、中断して『変身』を書き始める。虫になった男の話は2週間で書き終えられる。
 おそるべき集中力で創作を続けた晩秋の2ヶ月半。
 29歳の彼は、同時にその夏に出会った女性フェリスにも大量の手紙を書いていた。
 
 カフカは恋に落ちた。だから、書けた――。人々はこう理解してきた。しかし、それは本当に恋だったのか。甘い熱い感情の高ぶりだったのか。なぜ、そのとき書けたのか。なぜ、書いたのか。

 『判決』の、『変身』の謎を解く鍵は、彼らの〈恋〉にある。作品の秘密は、彼と彼女の秘密である。

スリリングな展開でカタルシスに導く
強いカフカ!

プロローグ

第1章 手紙と嘘
 手紙とタイプライター
 不信な手紙
 嘘のうまい男
 大胆な男と商売上手な娘
 カネッティの解釈
 暴力のような手紙
 「あなたの物語」
 『変身』 と誕生日

第2章 〈弱い〉父とビジネス好きの息子
 手紙としての作品
 『父への手紙』 と 『判決』
 〈弱い〉父
 頼りになる息子
 ビジネスへの関心
 ブロートの理解
 経営者カフカ
 ビジネスマンの親戚たち
 『商人』 の世界
 『観察』 と 『ある戦いの記録』
 『詐欺師の正体を暴く』

第3章 結婚と詐欺
 〈性〉の 「実存」
 結婚と打算
 「資産家の娘」
 『独身者の不幸』
 妹たちの結婚
 日曜日の事件
 語りの視点
 『判決』
 欺くことと文学
 『失踪者』
 誠実と不実
 『変身』

エピローグ
あとがきらしくないあとがき

本書で使用したカフカ・テクスト

【著者紹介】
明星 聖子
東京大学文学部独語独文学科卒業後、同大学院に進学。ミュンヘン大学に学んだのち、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士号(文学)を取得。現在、埼玉大学教養学部教授。
著書に 『新しいカフカ―― 「編集」 が変えるテクスト』(慶應義塾大学出版会、2002年、日本独文学会賞受賞)。訳書に、ルー・バーナード他編 『人文学と電子編集――デジタル・アーカイヴの理論と実践』(共訳、2011年)、ピーター・シリングスバーグ著 『グーテンベルクからグーグルへ――文学テキストのデジタル化と編集文献学』(共訳、2009年)(いずれも慶應義塾大学出版会)、リッチー・ロバートソン著 『カフカ(一冊でわかる)』(岩波書店、2008年)などがある。

内容説明

フェリスと出会ってなぜ書けたのか。その恋は本当に恋だったのか。『判決』の、『変身』の秘密は、彼らの“恋”にある。スリリングな展開でカタルシスに導く強いカフカ。

目次

第1章 手紙と嘘(手紙とタイプライター;不信な手紙;嘘のうまい男 ほか)
第2章 “弱い”父とビジネス好きの息子(手紙としての作品;『父への手紙』と『判決』;“弱い”父 ほか)
第3章 結婚と詐欺(“性”の「実存」;結婚と打算;「資産家の娘」 ほか)

著者等紹介

明星聖子[ミョウジョウキヨコ]
東京大学文学部独語独文学科卒業後、同大学院に進学。ミュンヘン大学に学んだのち、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士号(文学)を取得。現在、埼玉大学教養学部教授。著書に『新しいカフカ―「編集」が変えるテクスト』(慶應義塾大学出版会、2002年、日本独文会賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

8
【概要】父から抑圧され、ビジネスを忌避し、書くことに執着した弱く純粋な男。そんなカフカ像を反転させる。【感想】従来の資料を参照しながらもまったく異なる狡猾で強いカフカ像を描き、それが「判決」や「変身」などの作品解釈にも反映される。これらの作品を自伝的な手紙と解し自分がどんな人間かを知らしめようとする。カフカが手紙や日記で人を欺いたことを確認し、その欺瞞・読者を欺く仕掛けが作品にも施されていると論が進む。従来のカフカ像に反するカフカと作品解釈に迫るスリリングな一冊だった。2024/04/02

Tonex

7
『新しいカフカ ―「編集」が変えるテクスト』の著者が、前著とは別の観点から〈新しいカフカ〉を描いたもの。この〈カフカらしくないカフカ〉像は、著者の専門の編集文献学や新資料に基づくものではなく、日記や手紙や作品を読み込むことから導き出された。論旨明快で読みやすい。▼この本ではカフカの婚約者フェリーツェをフェリスと表記している。欧米の研究者の間ではFeliceは通常フェリスと発音されており、ビンダーも「Feliceとはフランス語の名前であり、イタリア語として発音すべきではない」と指摘しているとのこと。259頁2015/12/08

ゆれる

1
これまでの〈定説〉に対するテーゼであるという部分で「研究者的」な内容で、利害関係のないいい加減な読み手としてはそんなこと真に受けちゃうんだ、という部分も幾分あるが、その中でふとカフカの持つ狡猾さと強さ(とこの本で呼ばれるもの)はじつはかなり男性的な生理であるのかもしれないと考えさせられた(たぶん、自己弁護としてではなく)。 女性特有の(あるいは特定の女性の有する)生真面目さ、この本でも主として扱われているフェリーツェ(この本ではフェリス)側から書かれたカフカ論、と読めばおもしろい。2014/07/09

hideko

0
カフカは自意識過剰? ストーカーにならないか…2015/01/11

hcb

0
カフカの作品よりヤノホの「カフカとの対話」の中のカフカにひかれ続けてきたように思う。カフカを読み直してみようと思う。2014/10/30

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