イスラームの誕生―信仰者からムスリムへ

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イスラームの誕生―信仰者からムスリムへ

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  • サイズ A5判/ページ数 248,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766421460
  • NDC分類 228
  • Cコード C3022

出版社内容情報

初期イスラーム史研究の碩学が「信仰者運動」やイスラームの成立、などのイスラーム誕生のプロセスをわかりやすく、鮮やかに描く。

預言者ムハンマドによってはじめられた「信仰者運動」とは何だったのか―――。
イスラームはいつ、どのような形でキリスト教やユダヤ教とは異なる宗教として成立することになったのか―――。

▼「イスラームの起源」は近年、盛んに議論されている問題である。
▼特に1970年代以降、イスラーム共同体の中で伝えられてきた、神の啓示と預言者ムハンマドの生涯についての伝承に基づいて構成された従来の歴史像が、ムスリム史料を批判的に検討する歴史研究者らによって再考されてきた。本書の著者、フレッド・マグロウ・ドナーもその一人である。
▼ドナーは、クルアーンを第一の同時代史料として用いるとともに、近年進展してきた貨幣・碑文・パピルス文書の研究、そして考古学の成果、あるいはキリスト教徒などの非ムスリムの手による文献史料についての数多くの分析を統合し、初期イスラームの新たな相貌を提示した。

▼初期イスラーム史研究の碩学が、イスラーム誕生へのプロセスを、入門者にもわかりやすく、そして鮮やかに描き出す。

日本語版への序文
はじめに
謝辞
凡例
図版一覧

<b>第一章 イスラーム前夜の中東</b>
 古代末期の中東における帝国
 ビザンツ帝国
 サーサーン朝帝国
 大国の狭間のアラビア半島
 メッカとヤスリブ(メディナ)

<b>第二章 ムハンマドと信仰者運動</b>
 伝承に基づく預言者ムハンマドの伝記
 史料の問題
 初期の信仰者運動の特徴
  基本となる信仰 / 敬虔さと宗教儀礼 / 普遍的一神教 /
  共同体におけるムハンマドの地位 /黙示録的世界観と
  終末論的志向 / 攻撃性

<b>第三章 信仰者共同体の拡大</b>
 史料
 ムハンマド晩年における共同体
 ムハンマドの後継問題とリッダ戦争
 初期の信仰者共同体の拡大の性格
 初期の共同体拡大の経過と範囲
 拡大の時代の初期における支配の強化と制度の設立

<b>第四章 共同体の指導者の地位をめぐる争い</b> 
――34~73 / 655~692年
 第一次内乱の背景
 第一次内乱の経過(35~40 / 656~661年)
 二つの内乱の間の期間(40~60 / 661~680年)
 第二次内乱(60~73 / 680~692年)
 内乱についての考察

<b>第五章 イスラームの誕生</b>
 ウマイヤ朝の再興と帝国としての課題への回帰
 主要な用語の再定義
 ムハンマドとクルアーンの強調
 三位一体の問題
 イスラームの宗教儀礼的慣習の精緻化
 イスラームの起源に関する物語の推敲
 政治的「アラブ」意識の形成
 上からの変化か下からの変化か

訳者あとがき

補遺A ウンマ文書
補遺B 岩のドームの碑文(エルサレム)
用語集
注釈および参考文献案内
索引

【著者紹介】
フレッド・マグロウ・ドナー
1945年生まれ。シカゴ大学東洋研究所および人文学部近東言語・文明学科教授。
専門はイスラーム初期史。
1968年プリンストン大学東洋学科卒業。1966-67年レバノンにてアラビア語を習得。
1970-71年エアランゲンErlangen(ドイツ)のフリードリヒ・アレクサンダーFriedrich-Alexander大学にて東洋文献学を専攻後、プリンストン大学に戻り1973年に近東学修士号、1975年近東学博士号を取得。1975-1982年イェール大学歴史学科にて中東の歴史を教える。1982年現職。2011年より北米中東学会会長(President-Elect of Middle East Studies Association of North America:MESA)。
主要著作は、著書に <i>The Early Islamic Conquests</i> (Princeton, 1981); <i>Narratives of Islamic Or…

内容説明

預言者ムハンマドによってはじめられた「信仰者運動」とは何だったのか―。イスラームはいつ、どのような形でキリスト教やユダヤ教とは異なる宗教として成立することになったのか―。初期イスラーム史研究の碩学が、イスラーム誕生のプロセスを、入門者にもわかりやすく、そして鮮やかに描き出す。

目次

第1章 イスラーム前夜の中東(古代末期の中東における帝国;ビザンツ帝国 ほか)
第2章 ムハンマドと信仰者運動(伝承に基づく預言者ムハンマドの伝記;史料の問題 ほか)
第3章 信仰者共同体の拡大(史料;ムハンマド晩年における共同体 ほか)
第4章 共同体の指導者の地位をめぐる争い―三四~七三/六五五~六九二年(第一次内乱の背景;第一次内乱の経過(三五~四〇/六五六~六六一年) ほか)
第5章 イスラームの誕生(ウマイヤ朝の再興と帝国としての課題への回帰;主要な用語の再定義 ほか)

著者等紹介

ドナー,フレッド・マグロウ[ドナー,フレッドマグロウ] [Donner,Fred McGraw]
1945年生まれ。シカゴ大学東洋研究所および人文学部近東言語・文明学科教授。専門はイスラーム初期史。1968年プリンストン大学東洋学科卒業。1966‐67年レバノンにてアラビア語を習得。1970‐71年エアランゲンErlangen(ドイツ)のフリードリヒ・アレクサンダー大学にて東洋文献学を専攻後、プリンストン大学に戻り1973年に近東学修士号、1975年近東学博士号を取得。1975‐1982年イェール大学歴史学科にて中東の歴史を教える。1982年現職。2011年より北米中東学会会長

後藤明[ゴトウアキラ]
1941年生まれ。東京大学名誉教授(東洋文化研究所)。専門は西アジア史およびイスラーム史

亀谷学[カメヤマナブ]
1977年生まれ。國學院大學文学部兼任講師。専門は初期イスラーム時代(西暦7世紀~9世紀)を中心とするカリフ論、史料論、イスラーム国家論。2002年北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。2003年~2005年日本学術振興会特別研究員(DC)。2006年カイロ・アメリカン大学(エジプト・アラブ共和国、カイロ市)に留学。2009年北海道大学文学研究科後期博士課程修了。2010年~2013年国立民族学博物館共同研究員。2011年~2014年日本学術振興会特別研究員(PD・公益財団法人東洋文庫)。博士(文学)

橋爪烈[ハシズメレツ]
1975年生まれ。千葉科学大学薬学部薬学科講師。専門はアラブ・イスラーム史(8‐12世紀の政治史、政治思想史)。2001年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻東洋史分野修士課程修了。2002年~2004年カイロ大学聴講生。2009年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程学位取得。博士(文学)。2008年~2011年日本学術振興会特別研究員(PD・公益財団法人東洋文庫)

松本隆志[マツモトタカシ]
1978年生まれ。中央大学文学部兼任講師。専門はイスラーム史(叙述史料の研究)。2008年中央大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士前期課程修了。2012年から同大人文科学研究所準研究員。2014年同大大学院博士後期課程修了。博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

9
初期イスラームの概説書。著者は初期の信者をムスリムではなく、クルアーンの誦句から「信仰者」と呼び、ユダヤ教やキリスト教も内包する普遍的な一神教運動として、イスラームに対する排他的・暴力的なイメージの再考を迫る。それは訳者も指摘するように欧米でのイスラーム蔑視を意識した反論にも読めるが、同時にイスラームに対する一面的な理解を改める刺激的な内容。またこうした初期イスラームが変質し、現代につながる「ムスリム」が誕生した契機として、2度の内乱期を経た危機対応という面を挙げているのも印象的である。2021/05/15

1
イスラーム誕生のプロセスを描き出す本。部族対立の激しいアラブの地で政治的仲介者となったムハンマドがその教えをクルアーンで確立したことでイスラームが生まれ、信者は平等であると教えアラビア半島を統一する。キリスト教と同じくユダヤ教に起源を持っていても戒律は厳しい。2014/09/12

ドウ

0
ムハンマドの時代にはあくまでユダヤ教・キリスト教(の一部)と親和的な一神教運動だったのであり、イスラーム教の独自性の確立は、正統カリフ時代の2度の内乱を経た後のウマイヤ朝期だとする本。「信仰者からムスリムへ」という副題を当時の文書史料などを元に論証していて面白い。上記の主張は、9.11以後のイスラモフォビアへの反論なのだろうか。同時期に出た『イスラームの形成』と合わせて読むと初期イスラーム史について理解が深まるように思う。この2冊を同時に出した慶應義塾大学出版に拍手。2016/04/12

kaeremakure

0
ムハンマドが始めた運動のフォロワーたちは一世紀近くの間「ムスリム(服従者)」ではなく「信仰者(ムウミン)」と呼ばれていた。彼らは自らをユダヤ教やキリスト教から完全に独立した宗派とは考えず、アラビアに大勢いたユダヤ教徒やキリスト教徒もその運動に加わることができた。黙示録的な雰囲気の中で地上に神の王国を建設すべく中東各地を征服した彼らは、共同体の指導権をめぐる二度の内乱を経た危機的状況下で自らを「ムスリム」として再定義していく・・・という刺激的な仮説を、クルアーンのテキスト分析や同時代史料から導き出している。2014/09/26

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