出版社内容情報
日韓両国は60年代末~70年代中盤までの時期、政治的利害対立をはらみつつ、安全保障における協力関係をどのように構築したのか。
冷戦期、揺れ動く日韓安保関係のダイナミズムを描いた意欲作!
▼日韓両国は、1960年代末から70年代中盤までの時期、政治的利害対立をはらみつつ、安全保障領域における協力関係をどのように構築したのか。その政治過程と関係の変容の様相をさぐる。
▼沖縄返還をめぐる両国の攻防と、日米共同宣言におけるいわゆる「韓国条項」の誕生、そして北朝鮮のゲリラ浸透に対する警備協力から経済協力へ。また在韓米軍削減をうけた韓国の基幹産業育成プロジェクトへの支援など、間接的な韓国防衛力への支援が生まれた。しかし両国の安全保障への認識は、デタント(緊張緩和)を契機にすれ違ってゆく。
▼日米韓の外交一次資料を緻密に読み解き、これまで図式的に論じられがちであった日韓安保関係の変容とダイナミズムをスリリングに描く!!
<b>序 章 朝鮮半島の分断体制と日本</b>
一 東アジア秩序変動のなかの日本と韓国
二 これまでの研究動向について
三 安全保障問題をめぐる日韓の相互作用
四 分析の視座―― 分断体制下の「安保危機」
五 本書の構成および資料について
<b>第一章 分断体制下の「安保危機」への対応(一九六八年)</b>
一 「間接侵略」という新たな脅威
二 米韓相互防衛条約の「補完」問題
三 韓国の警察装備強化と日韓米
四 韓国における優先順位の再設定
おわりに
<b>第二章 沖縄返還問題と「韓国条項」の成立(一九六九年)</b>
一 グアム・ドクトリンと沖縄返還
二 沖縄返還交渉のなかの韓国
三 基地機能をめぐる日韓安保摩擦
四 米国の政策調整
おわりに
<b>第三章 在韓米軍の削減と日韓安保経済協力(一九七〇~七三年)</b>
<b>――「四つのプロジェクト」をめぐる協力</b>
一 在韓米軍削減と日本
二 安保経済協力としての「四つのプロジェクト」
三 重化学工業化の基盤としての「四つのプロジェクト」
おわりに
<b>第四章 米中接近と日韓安全保障関係の再調整(一九七一~七三年)</b>
一 米中接近と朝鮮半島
二 ニクソン・ショックと安全保障
三 冷戦規範の再検討
四 緊張緩和外交の展開
五 日韓安全保障関係の再調整
おわりに
<b>第五章 南北平和共存秩序の模索(一九七四~七五年)</b>
一 サイゴン陥落と朝鮮半島
二 日韓安全保障協力をめぐる攻防
三 国連軍司令部解体案の変容
四 日本の「米朝直接交渉」案と日米韓
おわりに
<b>終 章 冷戦期日韓安全保障関係の形成と展開</b>
一 分断体制下の「安保危機」と日韓関係
二 東アジアの秩序変動と日韓関係
三 新たな秩序への模索―― 平和体制の構築に向けて
主要参考文献
あとがき
索引
【著者紹介】
崔 慶原
九州大学アジア太平洋未来研究センター准教授。
1974年生まれ。韓国・東国大学校大学院北韓学科修士課程修了、
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)。
主要業績:『九州大学発韓国学の展望』(共著、花書院、2013年)、「日韓安全保障関係の形成―分断体制下の『安保危機』への対応、1968年」『国際政治』第170号、2012年、日本国際政治学会第6回奨励賞を受賞)など。
内容説明
在韓米軍の削減、沖縄返還、「韓国条項」をめぐる攻防…日韓両国は、政治的利害対立をはらみつつ、安全保障領域における協力関係をどのように構築したのか。その政治過程と関係の変容をスリリングに描く!
目次
序章 朝鮮半島の分断体制と日本
第1章 分断体制下の「安保危機」への対応(一九六八年)
第2章 沖縄返還問題と「韓国条項」の成立(一九六九年)
第3章 在韓米軍の削減と日韓安保経済協力(一九七〇~七三年)―「四つのプロジェクト」をめぐる協力
第4章 米中接近と日韓安全保障関係の再調整(一九七一~七三年)
第5章 南北平和共存秩序の模索(一九七四~七五年)
終章 冷戦期日韓安全保障関係の形成と展開
著者等紹介
崔慶原[チェギョンウォン]
九州大学アジア太平洋未来研究センター准教授。1974年生まれ。韓国・東国大学校大学院北韓学科修士課程修了、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)。主要業績『国際政治』(第170号、2012年、日本国際政治学会第6回奨励賞を受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。