慶應義塾大学教養研究センター選書
感情資本主義に生まれて―感情と身体の新たな地平を模索する

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  • サイズ B6判/ページ数 117p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784766420425
  • NDC分類 361
  • Cコード C0336

目次

0 はじめに―エロティック資本の媚態?
1 資本主義に生きること
2 感情労働者であること
3 エモーション・コンシャスな社会の成立
4 煽られる自己
5 感情資本主義
6 身体性と感情公共性―脱感情資本主義の実践(実戦)へ
7 おわりに

著者等紹介

岡原正幸[オカハラマサユキ]
慶應義塾大学文学部教授。1980年、慶應義塾大学経済学部卒業。1980‐81年、ミュンヘン大学演劇学専攻。1987年、慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。感情社会学や障害学やパフォーマンススタディーズをベースに理論と実地のフィールド研究や文化実践を行ってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ishida Satoshi

2
読了。社会学者ホックシールドによる「感情社会学」なる考え方を発展させ、「感情資本主義」という耳慣れない言葉を使っている本書。これは現代の資本主義が、人々の感情まで支配、コントロールし、感情そのものがツールになってしまっている状況を説いています。コミュ力が高いと就活に強い、空気を読むなど、一定の感情コントロールを身につけた人間が社会で有利な位置を占めていくような社会を論じています。例えば、どんなに腕の良い医者であっても、患者が不安感を抱くと医療行為の結果にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、医者も患者

Bevel

1
「感情の構築主義」を認めたうえで、資本主義的な構築からいかに逃れるかという問いを立てる。このとき自身の理論の帰結が「パフォーマティブ」な価値をもつことを認めつつ、社会実装へと向かうという著者の歩みは、勉強になるなあと思う。単純に「自己実現」を理想とすると、みんながCEOになり、相互不干渉が原則となるという議論が面白かった。批判すべき資本主義的感情構築があったとして、それはどこからだろうとなったとき、面白い自己と他者の境界の議論が出てきそう。感情資本のタイプ論みたいなのも考えてみたいな。2021/04/01

床ずれ

1
とてもわかりやすく、そして面白かった。「感情」さえも合理化されて資本主義のシステムに組み込まれてしまった現代。そこから脱するための公共空間(それは決して、画一化された「共同体」ではない)というアイデアは、ハンナ・アレントの「現われの空間」に近いように思われる。「理解できない、共感できない、むしろそれを知ることこそ感情公共性の芯となり、感情現象の異化をもたらす核になるのである。」2017/07/09

0
アイドルも接客業も感情労働

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