イギリス映画と文化政策―ブレア政権以降のポリティカル・エコノミー

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  • サイズ A5判/ページ数 201p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784766419764
  • NDC分類 778.233
  • Cコード C3022

内容説明

本書は、1990年代以降、すなわちブレア新労働党政権時代とそれ以降、英国国内および国外に流通した『クィーン』や『恥辱』、『めぐりあう時間たち』などのさまざまな映像テクストを、文化政策、映画政策、映画制作・配給・興行に関わる市場環境変化の分析を通じて分析・解釈することを目的としている。また、2012年オリンピック招致をその「文化プログラム」によって勝ち取ったグローバル・シティ、ロンドンと英国国家との関係にも言及する。英国文化政策を、勃興しつつあるグローバル化するポピュラー・カルチャーを生産・創造する“ポリティカル・エコノミー”という観点から読み直す意欲的な試みである。

目次

序章 英国の文化政策と映像文化
第1章 『クィーン』が表象するニュー・レイバーと“the people’s princess”―「グローバル・ポピュラー・カルチャー」の勃興?
第2章 劇場文化のポリティクスと英国地方都市―ブレア政権の多文化主義から“Broken Britain”へ
第3章 グローバル・ポピュラー・ハリウッドとディザスター映画の流行―ローランド・エメリッヒ『インデペンデンス・デイ』の真実
第4章 英国ヘリテージ文化とグローバル・ハリウッドの“間”
第5章 グローバル化とオリンピック文化プログラム―2012年オリンピック大会にロンドンが勝利した理由
第6章 「成長」のポリティカル・エコノミーと『アバウト・ア・ボーイ』―変容するロマンティック・コメディ
終章 ポピュラー・カルチャーのグローバルな再編とはなんだったのか?―文化的価値の再解釈に向けて

著者等紹介

河島伸子[カワシマノブコ]
同志社大学経済学部教授。ウォーリック大学PhD(文化政策学)。専門は文化政策論、文化経済学、コンテンツ産業論

大谷伴子[オオタニトモコ]
東京学芸大学教育学部講師。関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。専門は、初期近代イギリス演劇、現代イギリス文化

大田信良[オオタノブヨシ]
東京学芸大学教育学部教授。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専門は、英米モダニズム文学・文化、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KA

1
三浦玲一「グローバル・ポピュラー・ハリウッドとディザスター映画の流行」。何度目かの再読。『インデペンデンス・デイ』論。何度読んでも面白すぎる。いや、面白さは当時からわかっていたけど、歳を取ってこの上手さと凄さがわかってきた。何年経っても遠すぎる。近づける気がまったくしねえ2024/03/13

Takao Terui

1
社会情勢と個々の映画を結びつける方法を探していたので、大いに参考になった。「文化政策」「新自由主義と国家」「イギリス映画」あたりのキーワードに心惹かれる人にオススメ。(すぐ読めるし)2014/05/22

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