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マリーエンバートの悲歌

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  • サイズ B6判/ページ数 324p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766419658
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

文豪ゲーテ74歳、ウルリーケ19歳。55歳も離れた文学史上のゲーテ“最後の恋”は破れ、ゲーテはドイツ最大の恋愛詩『マリーエンバートの悲歌』を生み出した。しかし、ゲーテの死後も独身を貫いたウルリーケは死ぬ間際、ゲーテからの手紙を銀の盆の上で燃やし、その灰を銀のカプセルにつめ、棺の中に入れるように希望した―ヴァルザーはゲーテの生きた時間、人物、土地を再現するように描きだし、いわば愛と生と老いの苦悩をテーマに『老いたヴェルターの悩み』を創作したのである。現代ドイツ文学界の重鎮マルティン・ヴァルザーによる、文豪ゲーテ“最後の恋”といわれる文学史上の実話をもとに、ドイツで大反響を呼んだ長編小説。

著者等紹介

ヴァルザー,マルティン[ヴァルザー,マルティン][Walser,Martin]
ドイツの作家・評論家。1927年生れ。ノーベル賞作家ギュンター・グラスと同年齢、戦後同じ「47年グループ」に参加。グラスが進歩的文化人の立場を代表してきたのに対し、ヴァルザーは市民的常識派の考え方を代弁し、過去の清算問題でも東西統一問題でも両者はよき論争相手だった。数後の多くのドイツ作家と同じように、ヴァルザーも政治的発言、エッセイも手がけたが、文学作品には政治的テーマを持ち込まず、独自のリアリズム手法の小説を発表してきた

八木輝明[ヤギテルアキ]
慶應義塾大学経済学部教授。71年、立教大学文学部卒業後、同大学院修士課程、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。78~80年までボン大学(西独)に留学。81年から助教授、94年より現職。ドイツ文学、語学を担当。専門分野:ドイツ近、現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

4じゅうから

1
疑心暗鬼、嫉妬、諦観・・・。この心理描写は実に見事だ。特に、10月24日以降のはあまりにもリアリティがあって胸に突き刺さるようだ。これは、著者ヴァルザーがこの本を執筆したときの年齢も大きく影響しているのだろう。肉体は老いても、このような感情が必ずしも衰えていくわけではない。だが、老いてなお燃え盛る情熱を、人々が受け入れようとしないのを当事者は知っている。だからこそ、当事者は諦念者を装うしかない。 邦題をあえて「恋する男」としなかったのはよかった。よりドラマティックな趣きを本書に添えている2015/01/18

なか

0
まさしく自分が悩んでいる不安を感じないひとがいたら、素晴らしいでしょうね。(p34)2013/08/02

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