内容説明
文豪ゲーテ74歳、ウルリーケ19歳。55歳も離れた文学史上のゲーテ“最後の恋”は破れ、ゲーテはドイツ最大の恋愛詩『マリーエンバートの悲歌』を生み出した。しかし、ゲーテの死後も独身を貫いたウルリーケは死ぬ間際、ゲーテからの手紙を銀の盆の上で燃やし、その灰を銀のカプセルにつめ、棺の中に入れるように希望した―ヴァルザーはゲーテの生きた時間、人物、土地を再現するように描きだし、いわば愛と生と老いの苦悩をテーマに『老いたヴェルターの悩み』を創作したのである。現代ドイツ文学界の重鎮マルティン・ヴァルザーによる、文豪ゲーテ“最後の恋”といわれる文学史上の実話をもとに、ドイツで大反響を呼んだ長編小説。
著者等紹介
ヴァルザー,マルティン[ヴァルザー,マルティン][Walser,Martin]
ドイツの作家・評論家。1927年生れ。ノーベル賞作家ギュンター・グラスと同年齢、戦後同じ「47年グループ」に参加。グラスが進歩的文化人の立場を代表してきたのに対し、ヴァルザーは市民的常識派の考え方を代弁し、過去の清算問題でも東西統一問題でも両者はよき論争相手だった。数後の多くのドイツ作家と同じように、ヴァルザーも政治的発言、エッセイも手がけたが、文学作品には政治的テーマを持ち込まず、独自のリアリズム手法の小説を発表してきた
八木輝明[ヤギテルアキ]
慶應義塾大学経済学部教授。71年、立教大学文学部卒業後、同大学院修士課程、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。78~80年までボン大学(西独)に留学。81年から助教授、94年より現職。ドイツ文学、語学を担当。専門分野:ドイツ近、現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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4じゅうから
なか