内容説明
ボスニア・ヘルツェゴビナにおける少年サッカーチームの、民族を超えた絆。イスラエルとアラブ諸国の若き音楽家たちのオーケストラが紡ぐ、友情の響き―。敵対する隣人との融和に導く文化の力(ソフト・パワー)。NGO、開発援助機関、アーティスト、現地の市民らによる豊富な活動記録をもとに、国際協力の現場に立ち続ける著者が、平和構築に向けた未来への提言をおこなう。
目次
第1章 文化と紛争、そして平和
第2章 平和構築における文化活動の役割
第3章 スポーツによる融和
第4章 紛争地に響く音楽の紡ぐ絆
第5章 文芸作品を介した記憶への対峙
第6章 演劇活動による心の平和構築
第7章 伝統文化の再興と誇りの回復
終章 文化活動を介した平和構築の新たな地平
著者等紹介
福島安紀子[フクシマアキコ]
1951年京都生まれ。青山学院大学国際交流研究センター研究員。在ブリュッセルEU‐Asia Centre国際アドバイサリー・ボード・メンバー。米国ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツ高等国際問題研究大学院(SAIS)卒。大阪大学より博士号。国際関係論専攻。総合研究開発機構(NIRA)主席研究員、国際交流基金特別研究員を経て2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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国際協力の本棚
6
平和構築において文化がどういう役割を果たすことができるか論じた本。いがみ合っている民族が第三者の仲介を通じ、共同でスポーツをしたり、音楽を奏でたり、演劇をしたりすることで心を通わせ、結果的に国や地域や平和構築につながることを実例を踏まえて解説する。テーマは興味深いものの、各事例に対して踏み込みが浅く、結果として登場するNPOやNGOの広報のようになっているのが残念。また本書のタイトルに文化外交とあるものの、政府の取り組みや戦略への言及が乏しく、外交と銘打つにはやや違和感がある。2022/05/17
メルセ・ひすい
6
15-162 ★5 武力強権ハード・パワーに対するソフト・パワー⇒文化力は政治・経済・ 安全保障に加えて、平和構築を目的とした外交戦略の重要なファクターとなりえるのかー? ナイ教授による「ソフト・パワー論」が提示されて20年。その限界と課題。文化を活用した外交政治政策、21世紀の新たな方向性の検証。アチェの演劇ワークショップ、セルビアの民族混成サッカー…。NGO、開発援助機関、アーティスト、現地の市民らによる豊富な活動記録をもとに、国際協力の現場に立ち続ける著者が、平和構築に向けた未来への提言をおこなう 2012/07/19
takao
2
文化活動による平和構築2023/06/22