内容説明
新石器時代からキリスト教成立直前までの8000年間に、人類初の文明を創造・発展させた古代オリエント世界の概要をコンパクトにまとめた古代史の入門編。
目次
古代オリエント史の基本的性格
農耕と牧畜の発生
メソポタミアにおける都市国家の形成
メソポタミアの統一
初期メソポタミア文化
古代エジプト史の起源
古王国と中王国
印欧語族の到来とフリ人
エジプト新帝国とヒッタイト帝国
「海の民」
アラム人とヘブライ人
鉄器次第のシリア・パレスティナ
アッシリア帝国とネオ・バビロニア帝国
サイス朝とメルムナス朝
イラン高原の先史時代
ペルシァ帝国
アレクサンダー大王―その歴史的意義
アレクサンダー帝国
セレウコス朝史
ペルガモン王国史
プトレマイオス朝史
ヘレニズム時代の経済生活ヘレニズム時代の王権
著者等紹介
小川英雄[オガワヒデオ]
1935年、神奈川県川崎市生まれ。慶應義塾大学文学部史学科卒業後、ロンドン大学、ユトレヒト大学に留学、イスラエル、イギリス、日本で発掘調査に従事。慶應義塾大学名誉教授。文学博士。日本オリエント学会会長、三田史学会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サアベドラ
8
農耕の開始からヘレニズム時代までのオリエント通史。地理的範囲はエジプト、アナトリア、シリア・パレスティナ、メソポタミア、イラン高原。共著によるオリエント史の本は結構あるが、本書は数少ない一人の著者による概説書。もともと大学の授業用に書かれたテキストで、一般向けのものではかなり情報量が多いほう。長大なオリエント史が万遍なく簡潔に書かれているので、全体の見取り図をつけるのに適している。巻末の参考文献表では90年代~2000年代の邦語文献が集められており、最新の書誌情報を得ることができる。2012/11/30
15deossan
0
歴史の教科書では、受験にあまり出題されないからか、古代オリエントの事は詳しく書いていない。もう少し詳しく知りたいと思い、読んでみた。地域別・民族別に詳しく書いてあったので満足(年表が無いのは残念)。けっこう資料が残ってるんやね。ただ、この1冊だけじゃまだよくわからん。あと数冊、同じテーマの本を読んで補完したい。ちなみに、へぇ~と思ったのは、楔形文字の絵文字時代の表(p16)。楔形文字も元は象形文字なのね。あと「海の王・エア(Ea)」「太陽神マルドゥック」「四世界の王」とか、カッコよすぎて中二病がうずいたw2015/10/17
刳森伸一
0
古代オリエント史をかなりコンパクトにまとめた本。ページ数の割に情報量が多く読み応えがある。ただ個人的には、各国の時代ごとの勢力範囲などをもっと理解したかったので、もう少し地図を多めに収録してほしかった。2013/05/08
たまぞう
0
新石器時代からキリスト教の成立直前まで、およそ8000年の中近東史(=本書のオリエント史)を概観。索引だけで16頁におよぶくらい多くの事項がわずか150頁ほどの本文に詰め込まれている。そのため個々の記述はあっさりめ。メソポタミアの歴史はとにかくたくさんの王朝が入り乱れ、異民族の侵入とそれへの抵抗/屈服がめまぐるしいのが特徴だが、そもそもなぜこうした軍事的な侵攻が繰り返される必要があったのかについて、総括的な解説がなかったのが残念。とはいえコンパクトにまとまっているので、既習者が復習のために読むのが良さげ。2022/06/17
0
オリエントに興味があるが、義務教育期の記述は雑すぎるので…。その概略は頭に入ったし、イラン旅行で役に立った。ただ、結構読みづらかった。あと、一部合っているのか謎である:バビロンの空中庭園も発掘されているとあるが?世界最初の貨幣エレクトロン貨は、琥珀製なのではなく琥珀色なだけなのでは?123ページ「カルデアの近くのトラキアのケルソネソス地方」?2020/01/14