内容説明
発達障害、不登校、虐待…生きづらさを抱える人を前に「僕に何ができるだろう」と自問自答する児童精神科医。診察室を出て、自ら教室や福祉施設へ足を運び、そこで培われていく「連携」、そしてさらにめざす世界とは。注目の医師が綴る、心の軌跡。
目次
治療する側から支援する側へ
誰のための連携なのか
虐待に対して何ができるのか
信じることから
その一瞬を待つ
困惑感そして関わることの覚悟
孤独を乗り越えた自立
就学相談での親の思いから
不登校の子どもたちから学ぶこと
聴き続けることから生まれる希望〔ほか〕
著者等紹介
田中康雄[タナカヤスオ]
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教授。児童精神科医師。臨床心理士。1958年栃木県生まれ。獨協医科大学医学部卒業。市立士別総合病院精神科神経科医長、北海道立緑ヶ丘病院医長、国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部児童期精神保健研究室長などを経て、2004年北海道大学大学院教育学研究科教授、2006年北海道大学大学院教育学研究科附属子ども発達臨床研究センター教授、2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にこにこ
8
うまく行ったことばかりではなく、失敗も含めて体験したケースを書かれている。言われてみれば当たり前の一人一人ケースが異なること、伝えても伝わらないこと、思ったようにいかないこと、たくさんあります。発達障害の世界を体験できる訳ではないが、自分の世界で主人公として人生全うしないといけないのは誰でも同じ。という哲学的な事も考えてしまう。2022/11/20
ちゃんも
1
田中先生の温かな視点。発達障害に関する職についているが、自分の関わりはまさに本書にある「○○してあげる」の善意に潜む優越感がある支援だった。一つ一つのエピソードから学ぶことが多く、素晴らしさはまとめることができない。「相手の物差しを責めずにお互いの物差しを差し出し合うこと、自分の物差しを大切にすること」のエピソードは仕事の上で大切にしていきたい。難しいことではあるが、努力を忘れないでいたい。忙しさで一人一人に向き合えていないと感じた時、また本書を読み返したい。2022/11/17
しゅんぺい(笑)
1
著者の言っていることにかなり共感、感動しちゃうタイプなので、いろいろ読んでいこうと思う。想像力の仕事って思ってもええんかなあ、対人援助は。2020/03/01
kozawa
1
書名はよくわからんけど、著者の体験談はあまりに深く心に響く2010/04/19