出版社内容情報
グローバル化の歴史をひもときながら、高度に国際分業された現代の経済を解説。地球規模、地域経済統合、国、地域、都市、と様々な空間的レベルにおいて立ち現れているトランスナショナル化の実態を経済地理学の視点から捉えなおす。
目次
第1章 古い神話と新しい現実
第2章 変わる世界経済地図―貿易と直接投資
第3章 高度化する国際分業―フラグメンテーション
第4章 トランスナショナル企業(TNC)の台頭
第5章 デジタル化/モジュラー化/ハイパー・モビリティ
第6章 サービス投入の増大とプロフェッショナル・サービス
第7章 市場/国家/都市
終章 トランスナショナル化する世界の行方
著者等紹介
杉浦章介[スギウラノリユキ]
慶應義塾大学経済学部教授(Ph.D.)。専門、経済地理学、都市・地域論、アメリカ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cava
1
経済地理学は、現時点においても地位が確立していないと考えられる領域なのか、良質でカリキュラムとして消化しやすいテキスト(教科書的なもの)がないため、個人的には素人が地政学を学ぶのと同じレベルだと思った。つまり本書だけ読んでも、何が何だかわからない人が大変だと思うので、著者の科目をピンポイントで履修する者以外は読まなくてもいいと思われる。本書を読むくらいなら国際経済学・都市経済学・経営学の評判のよいテキストをそれぞれ読んだ方がいいと思う。2022/10/15
あや
1
教科書。これからレポートを書かないといけないんだけど、トランスナショナル化する企業の行動原理や展望、現在の動向など、かなりわかりやすい。2014/10/29
Rusty
1
2007年からのサブプライム問題を切り口に、トランスナショナル経済についての説明が分かりやすい。入門書として適している。2011/06/05
仮名
0
今日の持込可のテストはこの教科書に頼りきって乗り切った(と思う……)。論述のキーワードを探すにあたって、索引が非常に充実しているのが嬉しかった。。本の内容については、グローバル化(この本ではトランスナショナル化と呼んでいる)経済について、いろいろな側面から見た概要を、DELL社の隆盛やサブプライム問題やらの例を挙げながら分かりやすく書いてくれている。難しい経済用語がほとんど出てこないので、グローバル化経済の入門書として読みやすい。2012/01/30
しんいち
0
現代は、それ以前と比較して、国家(その領土と、その地に生まれその国籍を持つ民)という概念の境界線の存在感が薄くなり、また事業とその事業をサポートするサービスを提供する企業群が作る境界線の影響力が強くなった時代である。1760〜のイギリス産業革命により、分業と集積による生産性が爆増し、また交通/輸送の発達もあり余剰を各国特産品を貿易で交換し合う時代がはじまった。(逆に言うとそれまでは地産地消が多かったのでは)そして第二次世界大戦後には、ブレトンウッズ体制による世界経済全体の舵取りと資本/投資の自由化により 2024/04/30