内容説明
海の水はなぜ塩辛い?熱海温泉発生の起源とは?猿のお尻が赤い理由は?「理科」の枠組みを超えた「自然科学」はこんなにも面白い!科学的なアプローチから日本の民話3000話を分析。民話を紡いだ日本人の豊かな想像力、忘れられた郷土の自然が、いまよみがえる。
目次
1 時空の章(はじめて降った雪;雷と桑の木;竜になった姫 ほか)
2 大地の章(椿の乙女;八郎物語;辰子姫物語 ほか)
3 生命の章(デクの分身法;三人の兄弟;七夕のいわれ ほか)
著者等紹介
宮橋裕司[ミヤハシヒロシ]
慶應義塾志木高等学校教諭(地学・生物)。1962年生まれ。1989年、東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻修士課程修了。同年より株式会社日立情報ネットワークに勤務。1995年以降現職。専門は古植物学、地学教育。主に中生代の植物化石について組織・解剖学的な研究を継続中。近年、民話の分析に基づき、地学・生物の教材ならびに教育方法を探っている。日本古生物学会、日本地質学会、日本地学教育学会、日本進化学会に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
68
分類404。未来社刊行の「日本の民話」(全26巻)を分析し自然科学の視点から民話を考察する。[Ⅰ.時空の章]降雪、津波、干ばつ、不知火、渦潮の仕組み。[Ⅱ.大地の章]火山、金山など、地名由来の民話多し。[Ⅲ.生命の章]生物や植物の謂われなどの民話。類似の民話も紹介される。▽ガチの考証で、自然科学の知識情報満載でした。著者は古植物学や地学を専門とする高校の教諭。2009年刊。とても面白かった。▽風景が時代とともに変化するのは当たり前、現代民話は今この瞬間も紡がれている。良質の民話を子供たちに伝えたい。2022/01/25
Junko Yamamoto
6
すばらしい内容でした。あまり読まれていないのが残念。日本の人々の間で語られた民話が科学とどうつながるか、気候の変化や動植物の知識とともに得られて面白かったですが、いまのような情報がない時代、いかに日本人が自然を恐れていたか不安な気持ちもよくわかりました。人口の大半が犠牲になった石垣島の津波など知らなかった災害の話も衝撃。また、民話ですから洗練されておらず、それだけに不気味。2014/04/12
気になる脂肪
1
昔の人の観察眼に脱帽。 2014/11/28